建設・建築現場の苦情例

住民の建設・建築現場、工事現場に対するイメージは決して良いものではありません。今回は住民の苦情から、現場のサイネージに配信するコンテンツを考えてみたいと思います。

最も多いのは騒音・振動に対する苦情

朝早くから夜遅くまで…。日祝関係なく騒音や振動が発生する工事現場。近隣の住民にとって一番悩まされるのが騒音・振動問題です。

環境省の法定基準で「騒音は85db、振動は75dbを超えてはならない」というものがあります。ただ住民側の立場で考えた時に「基準以下の騒音・振動だから許せる」とは限りません。施工側にとっては当たり前の基準かもしれませんが、一般住民のほとんどはそのような基準を知りません。

騒音・振動のサイネージコンテンツ

現場関係者には当たり前に事実も、一般住民には通用しないという考えを持つことが大切です。「騒音・振動基準に達していないから問題ないだろう」という言い分もわかるのですが、それでは住民との溝は埋まりません。

騒音・振動は必ず発生します。それをどのように住民に理解してもらうかがポイントです。以下、配信コンテンツに盛込むべき項目をまとめてみました。

 

☒「迷惑をおかけします」という挨拶文

☒騒音・振動に関する基準

☒現在の騒音・振動の数値

☒騒音・振動を抑えるために行っていること

 

などが挙げられるでしょう。騒音・振動レベルを計測し、デジタルサイネージへリアルタイム配信している現場もあります。小さな部分へのこだわりが、住民の理解を徐々に得て行くと考えます。

大型車両の通行への苦情

工事が始まってからトレーラーやダンプ、クレーン車など工事車両の通行が多くなり、近隣の交通の妨げになるケースも少なくありません。また大型車の通行によって住民は、より注意深く通行する必要があります。まわりの交通に対する配慮も、大規模な建設現場にとっては責務です。

交通に関するコンテンツ

大型車の交通に関するコンテンツは何が考えられるでしょう?

 

☒大型車両が出入りする時間帯

☒大型車の通行ルート

☒安全運転のために取り組んでいること

☒交通事故への注意喚起

 

また交通情報に関しては、小さなお子様やご高齢者にも見えやすく、わかりやすい情報開示が大切です。視認性を上げるために大きな図や文字で発信する必要があります。

現場スタッフのマナーへの苦情

空き缶やタバコの吸い殻、ゴミが増えた。近くのコンビニに工事車両がずっと停まっている…。などスタッフのマナーに対する苦情も少なくありません。実は現場スタッフのマナーが一番重要といえるかもしれません。それぞれが自覚を持ち、住民の理解を得るために行動する必要があります。

マナーに対するコンテンツ

工事するのは人間、また近隣住民も人間。人対人である以上マナーは最重要視したいことです。どのようなコンテンツが適切か考えてみました。

 

☒挨拶への取り組み

☒現場周辺や町内の清掃活動

☒現場監督やスタッフ紹介とメッセージ

 

住民の理解を得るためにはマナー良く、コミュニケーションを図ることが重要です。またスタッフ紹介を行うことで、現場スタッフの意識向上を目指します。住民もスタッフの顔を見ることができると嬉しいです。

大切なのは住民の立場になること

建設・工事現場へ、近隣住民の理解を得るために設置が進んでいる情報提供用のデジタルサイネージ。まず大切なのは流すコンテンツです。コンテンツ例を何個か挙げましたが、参考にしていただければ幸いです。

コンテンツ作成の場合に注意したいのが、見る側の人が知りたい情報かどうか?ということです。こちら都合の一方的な情報配信になっていないでしょうか?専門用語や一般人に馴染みのない表現になっていないでしょうか?施工側の一般常識ではなく、住民の立場になってわかりやすい表記になっているでしょうか?

設置場所を考えましょう

住民への情報提供用デジタルサイネージは、近隣住民の工事に対する理解を得ることが目的です。すなわち住民に見てもらえる場所に設置をしなければ、全く意味のない自己満足サイネージとなってしまいます。

現場関係者しか通らない工事現場の入口や、一般住民の近寄らない場所へ設置しているケースもしばしば目撃します。近隣住民がターゲットであれば、そんな場所へのデジタルサイネージ設置はありえません。

現場周辺であれば極力住民の目につきやすい場所への設置が絶対です。場合によっては現場から少し離れたところでも、人目につくようであれば設置の交渉をしても良いかもしれません。また駅や役場など、協力を得れるようであればサイネージの設置をお願いするのも方法です。既存のサイネージがあれば、コンテンツだけスポットで流してもらうという方法もあります。

最後に

デジタルサイネージは住民に情報を提供する、ひとつのツールに過ぎません。一番大切なのは関係者さん一人ひとりの行動です。例えば毎朝ガードマンさんに「おはようございます」の一言をかけてもらうだけでも、私たちは気持ちが良いものです。残念ながらそのような経験は数えるほどしかありませんが…。

サイネージの導入とともに、現場スタッフさんの住民に対する配慮も行動に移していくことが、現場に対する住民の理解を得るための近道といえるでしょう。