会議をもっと効果的に行うためのツールとして注目されるデジタルサイネージ
デジタルサイネージは会議室への導入も進んでいます。黒板やホワイトボード、プロジェクターに変わる会議用のツールとして加速的に注目度が増しています。デジタルサイネージを会議に取り入れることで、スピーディかつ効率的な議事進行が行えることがメリットです。また、参加者の理解度向上や集中力を保つという部分にも関わってきます。
会議室にデジタルサイネージを導入するメリット
メリット1.会議時間の短縮
デジタルサイネージを会議で使用する場合、パソコンの画面をそのまま表示できます。パワーポイント等で会議用の資料を作成しておけば、ホワイトボードのように手書きで説明する必要がありません。そのため無駄な時間の削減ができ、スムーズな議事進行を行えます。
メリット2.高い視認性による理解度の向上
明るく鮮明なデジタルサイネージディスプレイを会議に取り入れることで、視認性が上がります。見えやすい画面は参加者への効果的な情報周知を可能にします。表示するグラフやテキスト文字をなるべく大きくしてやればなお見えやすく、資料が見えにくいための細かな質問等を排除できます。
メリット3.室内を明るく保て、参加者の集中力を維持できる
プロジェクターとは違い、それ自体が発光するデジタルサイネージディスプレイは、部屋の照明を落とすことなく使用できます。薄暗い雰囲気だと活発な意見交換の妨げになる可能性や、居眠りをしてしまう人も現れるかもしれません。室内を明るく保つことで、このようなメリットも生じます。
メリット4.動画や音声でわかりやすい資料の提供
会議資料に動画や音声を付け加えることができるのも、デジタルサイネージの大きな特徴です。写真や言葉だけでは伝わりにくい部分も、鮮明な動画、必要に応じて音声データも同時に流すことでよりわかりやすい会議の進行を可能とします。
会議室におけるデジタルサイネージとプロジェクターの見え方を比較
デジタルサイネージとプロジェクターの見え方の違いを表したのが上の写真です。左はデジタルサイネージで前列の蛍光灯を点けたままでも、くっきりとした色彩で映像が表現されていることがわかります。右がプロジェクターです。前列の照明を落としても、あまりコントラストが良くなく全体的にぼんやりとした映像になっています。
このように圧倒的な見え方の差が生じるため、会議の効率化を目標とする企業ではデジタルサイネージの導入が進んでいるのです。
会議室で利用されているデジタルサイネージの種類
会議室で利用されるデジタルサイネージには、様々なものがあります。参加者が見えやすいように大画面を使用することが大前提となりますが、それ以外にも利便性に長けたシステムを構築することで、より一層の会議効率化を図ることができます。
1.液晶マルチディスプレイ
複数の液晶ディスプレイを連結して、大画面を作り上げたものを液晶マルチディスプレイと呼びます。画面連結部分にベゼルライン(液晶保護枠の線)ができてしまいますが、ベゼルを極限まで細くすることで目立ちにくくしています。
写真は55インチディスプレイを4台使用したもので110インチとなります。ディスプレイを縦横3列ずつ、4列ずつ、それ以上のサイズにも対応しますので、会議室の広さや収容人員に合わせて好きな大きさの画面を作ることができます。
パソコン接続はもちろん、その他のデバイス(ゲームやDVDプレイヤー、TVチューナー等)をつないで映像を映すこともできるので、会議以外で利用できるというメリットもあります。タッチパネルセンサーを取り付けて、タッチ操作をすることもできます。
2.大型の液晶ディスプレイ
中小規模の会議室に多いのは大型の液晶ディスプレイです。液晶マルチディスプレイとの違いは、ディスプレイを連結せずに1台のみ使用するところです。写真は86インチの液晶ディスプレイをスタンドに設置しているものです。小さな会議室で収容人員が10名程度であれば55インチ前後、10~20人であれば75インチクラスの大きさが適切でしょう。
液晶ディスプレイの大きさには限りがあり、2023年現在、一般的に流通しているものの最大クラスは98インチです。それ以上の大きさが必要な場合は、液晶マルチディスプレイを検討しましょう。こちらもタッチパネル式でのご用意が可能です。
3.電子黒板
明るい画面にまるで黒板やホワイトボードのように、文字を書いたり消したりできるディスプレイです。これ自体を参加者に見せることもできますし、HDMI出力で他の大画面にミラーリングすることも可能です。フレキシブルにコンテンツへ書き込みができるため、有効な会議ツールとなります。
会議室にデジタルサイネージを設置するデメリット
デメリット1.壁面設置の場合は移動ができない
デジタルサイネージを会議室の壁面に設置する場合、基本的に移動させることができません。移動させて使用したいケースはキャスター付きのスタンドを使用しましょう。また、プロジェクターのようにコンパクトではありませんので、収納させたいときはスペースを確保する必要があります。
デメリット2.初期設置費用がかかる
特に大型の画面を設置する場合は、プロジェクター等と比較すると初期導入コストがかかってしまいます。例えば98インチディスプレイだと120万円前後、110インチのマルチディスプレイは150万円前後(税別・価格は2023年時点)の機器代金が必要です。設置費用やその他諸経費が加算されますので、各社見積もりを取り、比較検討すると良いでしょう。
デメリット3.取り扱いに慣れる必要がある
機械やパソコンに詳しい人であればそんなに難しいことはありませんが、あまり詳しくない方については機器の扱いに慣れるまで少し時間が必要かもしれません。不具合発生時には応急的に対応できる知識のある方がいらっしゃると良いかもしれません。初期の操作方法レクチャーや、不具合時のスピーディーな対応も弊社では行っておりますので、お困りごとは何でもご相談ください。
会議室へのデジタルサイネージ導入事例と参考価格
導入事例1.味覚糖株式会社様
55インチ液晶ディスプレイを36台使用した、330インチの液晶マルチディスプレイです。明るく巨大な画面で、後部座席の人でも表示内容を容易に確認することができ、会議時に有効活用いただいています。リモート会議でも各営業所の参加メンバーの表情がわかりやすく、好評を得ています。また、会議だけではなく入社式やイベント時にも活用しています。
機器や設置工事費用、諸経費を含めた総額は約1600万円(税別・2023年時点での価格)となります。
導入事例2.ホテル南風楼様
55インチ液晶ディスプレイを16台連結した220インチの液晶マルチディスプレイです。ホテルの会場に設置をし、企業の会議や式典、結婚式での映像表示等に使用します。両脇には98インチの液晶マルチディスプレイを配置し、複数デバイスの映像を映し出せるようにもしています。利用客のリピート効果もあり、ご満足をいただいています。
費用の総額は約800万円(税別・2023年時点での価格・両脇のサブディスプレイは別)となります。
導入事例3.兵庫県立龍野北高等学校様
55インチ液晶ディスプレイを9台連結した165インチの液晶マルチディスプレイです。学校の講堂にスタンド設置をしています。主に入学式や卒業式などの式典、授業に用いますが、時には会議用の大型デジタルサイネージとしても利用します。大画面で見えやすく、有意義に活用をいただいています。
総工費は約500万円(税別・2023年時点での価格)となっています。
導入事例4.三菱ケミカル株式会社様
55インチディスプレイを縦2列、横4列に連結した液晶マルチディスプレイです。左右で別々のデバイス映像を分割して表示することができます。会議での使用はもちろん、監視カメラの映像を映し出して場内の監視を行っています。
設置費用の総額は約500万円(税別・2023年時点での価格)です。
導入事例5.株式会社タナベコンサルティンググループ様
会議室に130インチの液晶マルチディスプレイをメインに、サブで75インチディスプレイを2台スタンド設置しました。後部座席の人は液晶マルチディスプレイが若干見えにくいのではないか、という配慮でサブディスプレイを部屋の中間部分に配置しました。3つのデジタルサイネージは同期映像を流すこともできますし、それぞれ別のデバイスに接続することもできます。
サブディスプレイを含めた設置総額は約360万円(税別・2023年時点での価格)です。
導入事例6.カーディーラー様
110インチの液晶マルチディスプレイにタッチパネルセンサーを取り付け、タッチ操作ができるように仕上げました。通常はお客様への商品案内で使用しますが、社内会議でも利用をします。画面をタッチしながら議事進行をすることができます。
設置費用は約250万円(税別・2023年時点での価格)となります。
導入事例7.都内企業様
86インチの液晶ディスプレイをキャスター付きのスタンドに設置してご利用いただいています。会議は多くても5人程度でしか行わないということで、もう少し小さな画面でも良いのではないかとご提案をしましたが、結果的に大画面でとても見えやすく満足しているとの評価をいただきました。
設置総額は約130万円(税別・2023年時点での価格)です。
会議室にデジタルサイネージを取り入れる理由とは?
会議室にデジタルサイネージが導入されている理由は、記述の通り「時間短縮による効率化」や、「参加者の理解度を高める」というようなことが大きな要因です。また一時期と比べて比較的安価に設置できるようになったことも、導入が進む一因となっています。
ビジネスを成功、成長させていく上では会議の質を高めていくことが重要です。ホワイトボードやプロジェクターでは得られなかった効果が、デジタルサイネージを利用することで表れるでしょう。