大画面液晶マルチモニターで起こりうるトラブルと故障原因
ショッピングモールでの広告、リモート会議や監視カメラの映像表示などでよく利用される液晶マルチモニター。機械である以上、絶対にトラブルがないとはいえません。今回は実際に弊社導入実績の中で起こったトラブルを包み隠さず公開いたします。
液晶トラブル
最初にご紹介するのは液晶画面の故障です。液晶のトラブルには「破損」と「変色」の2つの事例があります。
変色①映像基盤の故障
「さっきまできれいに映っていた画面が、何の前触れもなく急に1画面だけ黄色くなった!」とご連絡をいただいたのが上の写真の事例です。
そもそも何も触っていないのに急に変色することがありえないのですが、念の為モニターのリモコンで色調整を試みるも全くダメ。予め交換用モニターをお持ちしていましたのでそのまま交換させていただきました。
変色したモニターを持ち帰り原因究明したところ、映像基盤が故障していたことがわかりました。
変色②圧力が故障原因の液垂れ
これは設置後しばらく問題なく映っていたモニターの液晶が「液垂れ」を起こした写真です。例えばテレビの画面を指で抑えたりすると、圧力で映像が波紋のように波打ちます。液晶とはその名前のごとく、内部に液があるためこのような現象が起こります。
液晶マルチに使用する薄ベゼルのモニターは連結する部分(特に上下の接地面)に負荷がかかりやすく、下のモニターに上のモニターを「完全に乗せて」しまうと時間が経つにつれて圧力によるダメージが蓄積され、このような現象が起こる場合があります。
なので設置工事の際は各モニターの間に「ほんの少しの隙間」を持たせて、液晶に圧力がかからないようにしてやります。もちろん隙間を開けすぎると見栄えが悪くなってしまうので、絶妙な間隔があるのですがそのさじ加減を間違えたことによるトラブルとなります。
こうなってしまうと修理するよりも、新しいものに交換するほうが「早い・安い・安心」となります。もちろんこの場合は弊社側に責任があったので保証対応させていただきました。
ケーブルのトラブル
大型の画面になればなるほど、使用するケーブルの本数も増えます。1台だけ映像が映らないという症状が起こったこともあります。写真は27台のモニターを1つの大画面として設置した時に起こったトラブルです。正確に言うと「映るときもあれば、映らなくなるときもある」という症状で、該当するモニターに挿していたHDMIケーブルを交換することで直りました。
この様に巨大な画面になると使用するケーブルが長くなり、信号の減衰が起こりやすくなります。ケーブルはすべて同じ製品を使用しましたが、若干の個体差もあるため生じたトラブルとなります。
電源スイッチの故障
かなりレアなケースですが、スイッチの故障によりモニター本体に通電していないというトラブルも有りました。電話で内容をお聞きした上で、考えられるトラブルをこちらですべて洗い出し、交換用のモニターや部品をお持ちしました。
現地でモニターをチェックするとどうも電気が来ていないということが発覚し、電源ケーブルの接触不良や電源基板の故障も考えられましたが、モニター背面にある電源スイッチを確認したところ、ONの状態でランプが光ってないとおかしいのに…?という判断からスイッチを交換しました。
大画面液晶モニターを長く使う「5つのポイント」
大画面液晶モニターは精密機械ですので、正しく使っていても故障に繋がる可能性はあります。
ただし、せっかく液晶モニターを導入するのであれば、出来るだけ長く使いたいですよね?
以下に記載した5つのポイントに注意していただければ、故障の原因を避け、トラブルに繋がりにくくなります。
ポイント1:設置場所に最適な機種を選ぶ
ポイント2:衝撃に強い機種を選ぶ
ポイント3:定期的にメンテナンスを行う
ポイント4:電源のON/OFFを最低限に止める
ポイント5:温度管理に気を付ける
まずは設置する際に、業者が液晶モニター本体に負荷がかからないように設置する必要があります。その後、使用する際にも電源のオンオフを最低限に止めたり、温度管理に気をつけたりと、ユーザー様の方で注意すべき点もあります。
この5つのポイントを守れるかどうかでトラブルが起きる可能性が大幅に減らせるので、ぜひお試しください。
デジタルサイネージの耐用年数や長く使うポイントについては、以下の関連記事でより詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
まとめ
「やはり機械には故障がつきもの」と我々が言って良いのかどうかはわかりませんが、数々の修羅場を経験してきたことによってそれなりの知識を得ることができました。
寿命まで何事もなく役目を全うしてくれることにこしたことはありませんが、万が一のことがあった際にどれだけスピードを持った対応ができるかも大きなポイントです。大画面モニターをご検討の場合は、トラブル対応に強いヤマトサイネージも候補に入れていただけると幸いです。