街を歩いたり、交通機関で移動したりするとき、必ずと言っていいほど目にするのが看板です。
- 駅前にあるビルの壁面
- 住宅街にあるマンションの屋上
- 大通り沿いにある田畑の一角
こういったところに、企業の宣伝や店舗までの誘導を目的とした看板がよく設置されていますよね。
あのような看板は、自分達が所有する不動産に設置しているケースもあれば、他者から借りた不動産に設置しているケースもあります。
不動産オーナーの中には、「うちの不動産、あんな風に使ってもらってもよいかな」と考えている方が少なくないと思います。
本記事では、貸し看板ビジネスの特徴やメリット・デメリット、向いている立地などについて解説していきます。
参考:【最新2024年】60坪の土地活用方法12選と失敗しないで始めるコツ
貸し看板ビジネスの概要
貸し看板を設置するのも不動産活用の一つ
不動産活用にも、下記のように様々な種類があります。
- 集合住宅
- 駐車場
- トランクルーム
- 資材置き場
- コインランドリー
- 太陽光発電
- 自動販売機
- 貸し看板
どれも、外出時によく見かけるものですよね。ご自身で日常的に利用しているものや普段から仕事で関わっているものなどもあると思います。この記事で扱うのは、貸し看板です。
自身が所有する建物や土地などの空きスペースに看板を設置し、自社の宣伝や店舗までの誘導などを行いたい企業さんにそれを貸して、報酬を得るーー これが貸し看板ビジネスの仕組みです。
貸し看板は、「月に〇万円」あるいは「年に〇万円」というように、定期的な収入を得られるようになるため、収入形態としては、集合住宅経営や駐車場経営などに似ています。
看板の種類
貸し看板には、大きく分けて3つの種類があります。
屋上看板:
ビルやマンションなどの屋上に設置する看板で、下記のような特徴があります。
- 遠くからでも見てもらえる
- 風の影響を受けやすい
- 高所であるため施工費が高い
- 近隣の日当たりに配慮する必要がある
壁付け看板:
ビルやマンションなどの壁に設置する看板で、下記のような特徴があります。
- (良くも悪くも)壁の色や素材などの影響を受ける
- 材料が少ない(ポールなどを必要としない)ため施工費が安い
- 面積の面で制限がある
- 人の手が届きにいく位置にあるためメンテナンスがしにくい
野立て看板:
道路沿いや線路沿いの地面に設置する看板で、下記のような特徴があります。
- 店舗への誘導に適している
- 地面から立てるため施工が安全
- 通行する人や車に対して死角を作らないよう配慮する必要がある
- いたずらをされる可能性がある
広告主の探し方
定期的な収入を得られると言っても、当然ながら、広告主がいないと成立しません。広告主探しは、広告代理店さんに依頼するパターンと自分で行うパターンがあります。どちらを選択するかは不動産オーナーの自由です。不動産活用ビジネスの経験が浅い場合は、前者がよいでしょう。オーナー側の収益は減りますが、失敗やトラブルが少ないですし、プロからノウハウなどを吸収することができます。
不動産活用ビジネスの経験が豊富で自信がある場合は、後者でもよいでしょう。立地がよければ、「広告主募集」という看板を立てておくだけで、広告主が現れることがあります。
広告主と契約を結ぶ際の項目としては、下記のようなものがあります。
- 期間はいつからいつまでか
- 報酬はいくらか
- 報酬の入金日はいつか
- どちらが初期費用を負担するか
- どちらが運営費用を負担するか
- どちらが看板の管理をするか
貸し看板ビジネスのメリットとデメリット
貸し看板ビジネスの4つのメリット
貸し看板ビジネスのメリットをご紹介していきます。
<貸し看板ビジネスのメリット1:初期費用があまりかからない>
ほとんどの不動産活用ビジネスには初期費用がかかります。
たとえば、集合住宅やトランクルームなどは、建屋や設備が必要となるため、数百万から数千万円のお金が必要となります。また、一見お金のかからなそうな駐車場の場合でも、土地を平らにしたりアスファルト舗装をしたりする必要があります。
一方で、貸し看板ビジネスの場合は、看板を設置するだけですので、初期費用はほとんどかかりません。「初期費用は広告主が全て負担する」というケースも珍しくありません。
<貸し看板ビジネスのメリット2:転用しやすい>
ほとんどの不動産活用ビジネスは簡単には転用ができません。
たとえば、集合住宅やコインランドリー、太陽光発電などであれば、大掛かりな解体作業が必要になります。専用の重機や大型トラックが必要となることがありますし、処分費用も軽視できません。一方で、貸し看板ビジネスの場合は、看板を撤去するだけですので、比較にならないくらい転用がしやすいです。
<貸し看板ビジネスのメリット3:狭い土地・歪な土地でも使える>
所有している土地が狭いことから、あるいは歪であることから、「どのように土地活用をしたらよいものか」と悩んでいる不動産オーナーはとても多いです。
土地が狭ければ、集合住宅やトランクルームなどは難しいでしょう。土地が広くても歪であれば、駐車場や太陽光発電などは難しいでしょう。
一方で、貸し看板の場合、特に広い土地である必要も平らな土地である必要もありません。また、すでに建物が建っている土地であっても、建物の壁や屋上などに看板を設置をすることができます。
<貸し看板ビジネスのメリット4:管理が楽>
貸し看板ビジネスは、管理がとても楽です。
行うことは、報酬の入金確認と点検程度です。「点検は広告主が全て行う」というケースもあります。
ほぼ不労所得に近いので、一度流れに乗ると、2件3件とどんどん増やしていくことができます。別のビジネスと平行しながら行うこともできます。
貸し看板ビジネスの3つのデメリット
<貸し看板ビジネスのデメリット1:高収益は期待できない>
これまでご説明してきた通り、貸し看板ビジネスはハードルが低くて参入しやすいですが、高収益は期待できません。一般的に、0.5m×2m程度のサイズの看板で、年間1万円から5万円程度が相場です。もちろん、2枚、3枚と、複数の看板を設置すること(複数の広告主と契約すること)もできますが、それでも高収益とは言えないでしょう。
<貸し看板ビジネスのデメリット2:落下リスクがある>
看板には落下リスクがあります。老朽化や災害などで看板が落下し、人や物、建物などを傷つけてしまう可能性があるのです。損害賠償が発生してしまうこともあります。「災害が起きたとき、まずは自分たちの身を守らなくてはいけないが、看板のことがいちいち気になってしまう」このように仰る方もいらっしゃいます。
<貸し看板ビジネスのデメリット3:守らなくてはいけない法律がいくつもある>
看板を設置する際、「どんな看板でもOK」というわけではありません。「屋外広告物法」「景観法」「建築基準法」「道路法」など、守らなくてはいけない法律がいくつもあります。広告主と色々と話を進めていたが、法律の関係で全てが没になってしまったーー このようなケースもあります。
貸し看板ビジネスに向いている立地
当然のことながら、看板というものは、人目につかなくては意味がありません。他の不動産活用ビジネスもそうですが、貸し看板ビジネスでは、立地というものがビジネスの成否を左右します。
貸し看板ビジネスに向いているエリア
貸し看板ビジネスに向いているのは、どのようなエリアなのでしょうか。
- 一般的に、ニーズがあるのは、人口が多いエリア
- 人通りや車通りが多いエリア
- テレビによく出てくるエリア
- 人や車が停止する場所に面したところ
などです。
ニーズがないエリアですと、いつまでも広告主が決まらなかったり、決まってもすぐに契約解除となってしまったりすることも考えられます。上記に当てはまらない不動産の場合は、最初から別の活用方法を検討した方がよいかもしれません。
看板は一定の場所にあるものなので、地域性も関連してきます。たとえば、若者が多い渋谷では、ファーストフードやカラオケなど若者向けに事業を展開している企業からのニーズが高いでしょう。セレブの多い麻布では、高級車やブランド品などセレブ向けに事業を展開している企業からのニーズが高いでしょう。
貸し看板ビジネスに向いている位置
エリアに問題なくとも、人や車の通行量が少ない位置であれば、効果を期待できません。
貸し看板ビジネスに向いている位置は、
- 駅の出入り口周辺
- 信号周辺
- 人気店舗の周辺
- 幹線道路の周辺
などです。
なお、通行量というものは、近くに大型店ができたり道が整備されたりすることで、大きく変わることがあります。ある時点で看板ビジネスに向いていないと判断しても、いずれ状況が変わってくることは十分にあります。
貸し看板の設置の仕方
当然のことながら、立地に加えて、広告をどう設置するかも大事です。いくら立地が良くても、広告面が人の視界に入らなければ意味がありません。
実際に看板を設置する際には、下記のような様々な視点から視認性をチェックしてください。
- 人はどちらを向ているか
- 人が立ち止まれるか位置か
- 見やすい角度か
- 見やすい大きさか
- 他に埋もれないデザインか
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