展示会に自社ブースを出展する際、ディスプレイ(配置・置き方)やショーイング(装飾・演出)について考えたことはありますか? 「あまり考えたことがない」「なんとなくでしかない」という方も少なくないと思います。
展示会では、出展商品、ブース位置、スタッフの対応なども大事ですが、ディスプレイ・ショーイングもまた大事です。
- 何のブースなのかが分からない…
- どれを見せたいのかが分からない…
- なんとなく入りにくい…
- なんとなく居心地が悪い…
来場者さんに、そのように感じさせてしまうブースですと、成果にはつながらないでしょう。
ここでは、集客や受注につながるブースのディスプレイ・ショーイングのコツについてご紹介していきます。
展示会ディスプレイの「パネルの見せ方」のコツ
まず、パネルから考えていきましょう。展示会で使用するパネルは、大きく分けると次の3種類があります。
- キャッチコピーパネル
- 商品紹介パネル
- 案内パネル
<キャッチコピーパネル>
キャッチコピーパネルは、来場者さんに最初に見てもらうパネルです。
キャッチコピーとは、人の心をつかむ(キャッチする)ことを目的とした広告文(コピー)のこと。キャッチコピーパネルで「お、なんか気になる!」と思ってもらう→ブース内(展示商品や他のパネルなど)を見渡してもらう→ブース内に入ってもらう、というイメージです。
キャッチコピーパネルは、通路を歩いている人から見やすいよう、ブースの両サイドの壁に設置するのがおすすめです。
ブースの中央の壁に設置する企業さんも多いのですが、それでは、キャッチコピーを見ないまま素通りされてしまう可能性が高いです。
来場者さんの動き・目線を考えてください。通常、ブースは通路に対して平行にレイアウトされています。通路を歩く来場者さんからすれば、中央の壁とサイドの壁、どちらに目がいきやすいでしょうか。横目にある中央の壁よりも、ほぼ対面にあるサイドの壁の方に目がいくでしょう。
最初に見てもらいたいキャッチコピーパネルは、ブースの両サイドの壁に設置するのがベターです。
<商品紹介パネル>
商品紹介パネルは、商品を紹介するためのパネルです。
内容としては、商品の名称や特徴、採用技術、活用例、お客様の声、価格帯など。
情報の量には気を付けてください。たくさんのブースがある展示会では、あまりに商品情報が多いと、
途中で「もうこのブースはいいや」と離脱されてしまうことが多々あります。情報はなるべく絞ることをおすすめします。
商品説明は、動画を使って行うのもおすすめです。下記のようなメリットがあります。
- 動きがあるため人の目に留まりやすい
- 文字や画像などよりも表現力が高いため伝達力が高まる
- 印象に残るため何かあったときに思い出してもらえる
通常、商品紹介パネル、商品紹介動画は、商品の近くに置きます。
<案内パネル>
案内パネルは、
- 自社ブースの出展期間
- セミナーやデモンストレーションなどのタイムスケジュール
- 注意事項
などを案内するためのパネルです。案内パネルがあると運営がスムーズになるでしょう。通常、案内用パネルは、入口の近くに置きます。
各パネルの高さは、来場者さんの目に入りやすい位置にしましょう。目線の位置、もしくはそれより少し低い位置が理想です。ターゲットが成人女性であれば130~150cm程度、ターゲットが成人男性であれば140cm~160cm程度です。ただし例外もあります。キャッチコピーパネルは、遠くにいる人からも見てもらえるよう、あえて高いところにしてもよいです。
また、通路の近くに置くパネルは、通路側からブース内部を見渡しやすくなるよう、低めにした方がよいケースもあります。ブースの入口が狭い場合や奥行きがある場合、展示物が多い場合は、あえてパネルを低めにすることも検討してみましょう。
なお、パネルとして、デジタルサイネージ(デジタル看板)を使用するのもおすすめです。下記のようなメリットがあります。
- 視認性が高いため、遠くからでも見てもらうことができる
- 複数の内容を簡単に切り替えることができるため、スペースを節約することができる
- 音声を出すことができる
展示会ディスプレイの「展示商品のレイアウト」のコツ
商品のレイアウトを考える際、まず抑えておきたいのが、たくさんの商品を並べない、という点です。
一つのブースに、たくさんの商品が並べられていると、何を出展しているブースなのかが、一目で分かりにくいです。他にいくつもブースがある展示会では、それだけで素通りされてしまうこともあります。展示する商品はできるだけ絞るようにしてください。
そして、メインでアピールしていく商品を決めてください。全ての商品が同列に置かれていると、視点が定まらず見る人を疲れさせてしまいます。基本的には、売れている商品や目立つ商品をメイン商品とするのがおすすめです。
次に、展示商品の位置です。
メイン商品はブースのセンターに置き、メイン商品以外は、メイン商品よりも一歩奥に入ったところに置くようにしましょう。メイン商品は、一段高い位置に置いたりライトを当てたりすると、存在感が強調されます。
なお、重い商品が高いところにあると、不安定感を感じさせてしまいます。重い商品はなるべく低いところに置くようにしてください。また、背の高い商品がブースの中央にあると、圧迫感を感じさせてしまいます。背の高い商品はなるべく端の方に置くようにしてください。
そして、全体的に余白をとるようにしてください。「なんかごじゃごじゃしている」「隣の商品を見ている方と体が触れ合ってしまう」など、窮屈感を感じさせてしまうと、すぐに離脱されてしまいます。
さらに、商品の近くに設けたいのが、来場者さんが立つスペースです。
来場者さんが立つスペースがないとどうなるでしょう。人が通りかかる度に道を開けなくてはいけません。落ち着いて商品を触ったりスタッフとコミュニケーションをとったりすることができなくなります。
来場者さんが落ち着いて商品を検討できるようなスペースを設けるようにしてください。
展示会ディスプレイの「販促ツールのレイアウト」のコツ
販促ツールとは、チラシ、パンフレット、ノベルティなどのことです。
販促ツールは、ブースに立ち寄ってくれた方はもちろん、「混んでいて入れない」「時間がないからまた今度」など、何らかの事情でブースに立ち寄れない方にもお渡ししたいものです。
通路を歩く来場者さんの目に入るよう、また手に取ってもらいやすいよう、通路の近くに置くのがおすすめです。背伸びしないと見えない、手を伸ばさなければ手に取れないなどは、機会損失につながりますので、注意してください。
なお、通路の近くといっても、人の流れが多い通路にブースを構える場合は、通路からある程度のスペースをとった方がよいケースもあります。
気になる商品のチラシをもらっておきたいと思ったけれど、人の流れに押されて取り損ねてしまった… いつの間にか忘れて、それっきりになってしまった… 展示会では、このようなことが珍しくありません。
販促ツールは、テーブルなどの上においてもよいですが、チラシ用・パンフレット用のラックに立てておくのもおすすめです。その方が、スッキリする上に、表紙にあるキャッチコピーや写真などを見てもらいやすくなります。
展示会ディスプレイの「商談スペースのレイアウト」のコツ
商談スペースとは、
- 商品説明
- 課題のヒアリング
- 見積もり
- 契約手続き
などを行うためのスペースのことです。
「商談スペースは必ず設けなければならない」などといった決まりは通常ありませんが、来場者さんと密な関係を築くことや契約に至ることが目的なのであれば、設けることを検討してもよいでしょう。
商談スペースは、本当に興味を持った方だけに来てもらうスペースなので、基本的には、通路の近くにある必要はありません。落ち着いてじっくりとお話ができるよう、人の動きが少ない奥の方にしっかりと構えた方がよいでしょう。
ただし、商品が安価なものである場合は、気軽にコミュニケーションができるよう、あえて奥まったところにしない、という手もあります。
なお、展示会によっては、共用の商談スペースが用意されていることもあります。
利用を検討している場合は、
- 有料かor無料か
- 自社ブースに近いかor遠いか
- どれだけプライバシーを守れるか
などを事前に確認しておくとよいでしょう。
展示会ディスプレイの「ブースの配色」のコツ
ブースの配色について考えたことはありますか? ブースの配色も展示会の成否に影響してきます。
基本的に、使用する色は絞った方がよいです。
特に気にしないまま際限なく使用する企業さんや、目立つようにとカラフルにする企業さんもありますが、まとまりがなくなりますし、来場者さんが内容に集中できなくなってしまいます。
カラーコーディネートの世界では、ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーと3色選び、これらを70:25:5という比率にするとキレイにまとまる、と言われています。
プロのデザイナーさんが、WEBデザインや広告デザイン、店舗デザインなどを手掛ける際、この配色にするケースが多いようです。
ベースカラー、メインカラー、アクセントカラー、それぞれの特徴・役割ついてご説明していきます。
<ベースカラー>
ベースカラーは、最も大きな面積を占める色です。脇役として、メインカラーやアクセントカラーを引き立てます。白やライトグレーなど地味な色、ピンクや黄色など明度の高い色にすることが多いです。
<メインカラー>
メインカラーは、ベースカラーよりも面積は小さいのですが、最も印象を左右するカラーです。展示会ブースの場合、コーポレートカラーや商品イメージに合わせた色にするとよいでしょう。
<アクセントカラー>
アクセントカラーは、面積自体は一番小さいのですが、最も目立つカラーです。注目させたい部分や見落とされたくない部分に使います。メインカラーと系統の異なる色を使うと引き立ちます。展示会ブースの場合、キャッチコピー、商品台、販促ツールなどにアクセントカラーを割り当てるとよいでしょう。
ブースの配色のポイントについてご紹介しましたが、これに加えて、ライバル企業さんやブース位置が近い企業さんと、差別化ができるとなおよいでしょう。
多くの企業さんは、展示会終了後、当日の写真を自社サイトにアップします。ですので、「(企業名) 展示会 ブース」などといったキーワードで画像検索をしてみると、過去に出展したブースを見ることができます。自社サイトにアップしていない場合でも、「(展示会名) ブース」などといったキーワードで、見つかることがあります。
毎回同じデザインにしているのであれば、今回もそれと同じである可能性が高いでしょう。自社ブースのデザインは、それと似つかないものにするのが無難です。毎回カラーが変わっている、何度かカラーが変わっている、といった場合でも、傾向を掴んだ上で、差別化につなげましょう。
展示会におけるデジタルサイネージの活用事例
東京ビッグサイト、幕張メッセ、インテックス大阪など、多くの全国の展示会ブースに、デジタルサイネージを設置させていただいております。
100インチ以上の大型モニターを導入することで、広い会場内でも目立ちますし、遠くからでもお客様に訴求できます。さらに、一時的にスタッフが不在の場合にも、お客様に訴求し続けられるメリットもあります。
東京ビッグサイト展示会ブースに大画面を設置
当日はキレイさを心掛ける
展示会ブースでは、掃除や整理整頓を心掛けるようにしましょう。当たり前のことのようで、できていない企業さんが少なくありません。
例えば
- 販促ツールが乱雑になっている
- 展示ガラスに手垢がついている
- ボールペンや食べ物などが床に落ちている
- 雨の日に床に泥汚れがある
など。
多くの方は、キレイでないところに嫌悪感を感じます。それだけで、立ち寄ってもらえないこともあるでしょう。自社に対して、ネガティブなイメージを重ねさせてしまうこともあります。
展示会の当日は、タイミングを見計らいながら、掃除や整理整頓をするようにしてください。
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