自社の認知度を高めるためや自社の商品の良さを知ってもらうために行う展示会。せっかく時間やお金をかけて出展するのですから、たくさんの方に足を運んでもらいたいですよね。
しかし、展示会会場にはライバル企業のブースが所狭しと並んでいます。来場者さんの中には、自社のことを知らない方や時間が限られている方がたくさんいます。さらに、来場者さんが自社ブースの前を通るのは、ほんの数秒から十数秒程度です。
そんな状況の中、たくさんの方に足を運んでもらうためには、”見せ方”を工夫する必要があるでしょう。
来場者さんの目を引いて足を止めてもらい、期待感や安心感を与え、そこからブース内でのコミュニケーションにつなげていく、この流れを作れるようになると、展示会に成功しやすくなります。
ここでは、より多くの方に足を運んでもらうための、ブースの見せ方についてご紹介していきます。
ブースの形状・構造
ブースの形状
まずはブースの形状から考えていきましょう。
ブースの形状は、通路に接する面が長い長方形がよいです。ブース内を広く開放的に見せることができますし、来場者さんの視界に入る時間が長いため展示物を見てもらえるチャンスが増えます。
正方形のブースで出展する企業さんが多いですが、おすすめはできません。長方形と逆で、通路に接する面が短い分、閉鎖的に見えてしまいますし、来場者さんの視界に入る時間も短くなってしまいます。
さらに、正方形のブースの場合、
- 奥行きが長い→展示物が壁になって奥まで見渡せなくなってしまう
- 入口が狭くなりやすい→入口付近が人で占拠されてしまうとブース内が見えなくなってしまう
といったことが起きてくることもあります。
多くの来場者さんは、知らない企業のブースに入ることに抵抗を持っています。通路側からブース内部の状況が把握できないとなると、来場者さんは不安感を抱いてしまいます。会場には他にもたくさんのブースがあるため、少しでも不安感を抱いた来場者さんは簡単に立ち去ってしまうでしょう。
以上のことから、選択可能なのであれば、長方形のブースを選ぶことをおすすめします。
なお、これは両端に他の企業さんのブースがある場合のことで、角にブースを構える場合はこの限りではありません。角にブースを構える場合は、開放面を広くとることができます。正方形でも特に問題とならないケースもあるでしょう。
ブースの位置
ブースの形状に加えて、ブースの位置についても考えましょう。
ブースの位置は、
- 会場の出入り口の近く
- 人気企業のブースの近く
- 同系統の商品を取り扱っている企業のブースの近く
がおすすめです。
以下、その理由をご説明していきます。
<おすすめのブース位置1:会場の出入り口の近く>
展示会会場の出入り口に近いところは、人の流れが多いため、たくさんの人に見てもらえる可能性が高いです。
ただし、あまりに人の流れが多いと、止まりにくさから、素通りされやすくなってしまうこともあります。認知度の向上などを目的とする場合であれば大きな問題にはならないかもしれませんが、直接的なコミュニケーションを目的とする場合はよく検討した方がよいでしょう。
<おすすめのブース位置2:人気企業のブースの近く>
出入り口ほどではありませんが、人気企業さんのブースに近いところも、人の流れが多いため、たくさんの人に見てもらえる可能性が高いです。
もちろん、「対象企業がどの位置にブースを構えるか」という情報をあらかじめ把握しておく必要があります。
なお、人気ゆえに客足をとられてしまうリスクもあることは意識しておいてください。
<おすすめのブース位置3:同系統の商品を取り扱っている企業のブースの近く>
展示会には、自社と同系統の商品を取り扱っている企業さんがいることもあります。当然のことながら、ターゲットが似通ってきますので、そういう企業さんの近いところにブースを構えるのも効果的です。「せっかくなら、あちらのブースにも立ち寄ってみるか」という来場者さんが出てきます。
こちらについても、「対象企業がどの位置にブースを構えるか」という情報をあらかじめ把握しておく必要があります。
おすすめのブースの位置を3つご紹介しましたが、展示会は、ブースの位置によって出展料が変わってくることがあります。予算や目的などと照らし合わせながら検討してください。
- 今回は対応できるスタッフが少ないから、あえて人通りが少ないところにする
- 既存顧客に来てもらうことが目的で新規集客は考えていないから、あえて一番出展料が安いところにする
などといった選択肢もあります。
ブースの形状と位置については、展示会準備の早い段階で決めることが多いと思います。どちらもおいても、他の企業さんとの兼ね合いがあるため、いったん決めてしまうと変更が難しくなります。「ブースの形状や位置について、もっとよく検討しておくべきだった」ということにならないよう、注意してください。
ブースのデザイン
次に、ブースのデザインについて考えていきましょう。
出展者の中には、とにかく他のブースよりも目立つようにと、派手なデザインにしようとする方もいますが、ただ手間がかかるだけで、あまり効果は見込めません。
派手さだけでも十分に差別化ができた時代もありましたが、装飾技術が普及した今では特に差別化にはなりません。「呼び込みに必死」「強引に人を集めようとしている」といっネガティブな印象を与えてしまうこともあります。
また、仮に派手さで立ち寄ってくれた人がいたとしても、それはデザインに興味があるだけで、自社商品には興味がないケースもあります。自社商品に興味のない人を集めてしまうと、本当に自社商品を必要とする方にリソースを割けなくなってしまう恐れがあるので、要注意です。
展示会のブースは、派手さよりも、個性や分かりやすさを意識することをおすすめします。以下、そのポイントをご紹介します。
<ブースデザインのポイント1:コーポレートカラーに合わせる>
コーポレートカラーがあるのであれば、そのカラーをブースのメインカラーにしてもよいでしょう。
コーポレートカラーを認知してくれている方には、「お、あれは〇〇さんのブースかな」と気づいてもらいやすいです。
コーポレートカラーを認知してくれている方が少ない場合もあるかもしれません。その場合、展示会を、その認知度向上のチャンスとして活用してもよいでしょう。
ブース、パンフレット、ノベルティ、スタッフのユニフォームなど、そして展示会後に見てもらうホームページやDMなど、それらで一貫したカラーを出していくことで、徐々に、自社イメージが顧客に浸透していきます。この間接的なコミュニケーションは、長い目で見て、展示会の集客にも展示会以外の集客にもつながっていきます。
<ブースデザインのポイント2:商品コンセプトに合わせる>
出展商品に明確なコンセプトがあるのであれば、そのコンセプトに合わせたカラーにするのもよいでしょう。
例えば、清潔感を訴求したいのであればホワイトをメインカラーにする、クールさを訴求したいのであればブルーやシルバーをメインカラーにするなどといったように。コンセプトは文字だけでなく、カラーでも伝えることができます。
<ブースデザインのポイント3:展示会の目的に合わせる>
展示会の目的に合わせてもよいでしょう。例えば、腰を据えた商談が目的なのであれば、落ち着いた雰囲気になるよう木目調を取り入れてみるなど。単純に、落ち着いた雰囲気の方が、中身の濃い商談ができるはずです。
また、出展商品が麺類で、来場者に試食をしてもらいたいのであれば、試食コーナーをラーメン屋さんやうどん屋さんのような雰囲気にしてみるなど。「あそこにいくと、何か美味しいものが食べられるのかな」なんていう期待感から立ち寄ってくれる来場者さんも出てくると思います。
展示商品の置き方
展示会に自社ブースを出展する際、一番見て欲しいのは何でしょうか。展示会ブースでは、パネル看板やチラシ、ノベルティ、商談用の机・椅子など、様々な物を置きますが、一番見て欲しいのは商品のはずです。
商品の置き方について考えていきましょう。
展示商品は厳選する
「せっかくの機会だから」と、たくさんの商品を並べようとする方もいますが、あまり得策とは言えません。
展示会会場にはたくさんのブース、たくさんの商品があります。来場者さんは1日でたくさんのブース、たくさんの商品を目にします。そんな中、たくさんの商品を並べることは、有効と言えるでしょうか。
一つ一つの商品をじっくり見ていく来場者さんはほとんどいません。ぱっと見で何を展示しているブースなのか分からないようだと、素通りされてしまいます。
また、たくさんの商品を並べることで、窮屈さや歩きにくさを感じさせてしまうこともあります。それだけで素通りする方もいるでしょう。
以上のような理由から、並べる商品はできるだけ厳選するようにしてください。「これしかない!」という1つの商品に絞っても問題はありません。
展示商品の置き方
一番メインとなる商品はブースのセンターに配置するのがよいです。一段高い位置に置いたり、ライトを当てたり、余白をとったりすると、存在感が強調されます。
メイン商品以外は、メイン商品よりも一歩奥に入ったところに配置するとよいです。メイン商品に引かれてブースに来た方の中には、「他にも商品を見させてもらいたい」という方もいますので、しっかりと案内できるようにしておきましょう。
来場者さんが触っても問題がない商品であれば、近くに「ご自由におさわりください」という案内があるとよいです。使用する上で説明が必要となる商品であれば、近くにその案内があるとよいです。
商品の案内をする際、通常は、パネル看板を使用することが多いですが、デジタルサイネージ(デジタル看板)もおすすめです。
パネル看板の代わりにデジタルサイネージを使用するメリット:
- 視認性が高いため、遠くからでも見てもらうことができる
- 複数の内容を簡単に切り替えることができるため、スペースを節約することができる
- 音声を出すことができる
展示商品の近くに置きたいもの
来場者さんの心をさらに引き付けるために、展示商品の近くに置きたいものをご紹介します。
<展示商品の近くに置きたいもの1:動画>
展示商品の近くに動画があると人の注目を引きます。内容としては、例えば下記のようなものです。
- 健康食品を出展するのであれば、製造工程や調理の仕方
- 筋トレマシーンを出展するのであれば、モデルさんがそのマシーンを使っている場面
- 化粧品を出展するのであれば、モデルさんのビフォーアフター
- お掃除ロボットを出展するのであれば、それで住宅やオフィスなどをキレイにしている場面
基本的には、その商品の特徴よりも、来場者さんが「お、なんだろう、気になるな」と思ってもらえるようなものがよいです。
なお、ここでもデジタルサイネージを活用できます。動画を流す際、テレビやパソコンなどを使用してもよいですが、デジタルサイネージ(デジタル看板)もおすすめです。
テレビやパソコンの代わりにデジタルサイネージを使用するメリット:
- 視認性が高いため、遠くからでも見てもらうことができる
- 耐久性が高いため、長時間の運用ができる
- 耐衝撃性が高いため、人とぶつかっても問題がない
<展示商品の近くに置きたいもの2:デモンストレーション>
展示商品の近くに、デモンストレーションコーナーがあっても、人の注目を引きます。内容としては、例えば下記のようなものです。
- 音響設備を出展するのであれば、お好みの曲で試聴してもらう
- 筋トレマシーンを出展するのであれば、実際に使ってもらう
- ソフトウェアを出展するのであれば、試用版を使ってもらう
- 車の自動ブレーキシステムを出展するのであれば、シミュレータで疑似体験してもらう
展示会に来場される方の中には、インターネットやカタログなどでは得られない情報や体感できない体験を求めている方が少なくありません。せっかく来てもらうからには、その方々のニーズを満たすようにしましょう。
販促ツールの置き方
販促ツールの重要性
販促ツールとは、チラシやパンフレット、ノベルティなどのことです。
展示会では、
- 気になるブースだけれど、なんとなく抵抗を感じていて入れない
- ブースに入る気はあるけれど、人だかりができていて入れない
- ブースに入りたいけれど、時間がなくて入れない
といった来場者さんがいます。
そのような来場者さん、取り逃したくないですよね。そこをフォローできるのが、チラシやパンフレットです。
ブースに入れなくても、チラシやパンフレットを受け取ってもらえれば、自社のことを知ってもらうことができます。チラシやパンフレットを読んだ後、当日また戻ってきてくれるということもありますし、当日戻ってきてくれなくても、後日何らかの形でアプローチしてくれるということもあります。
もちろん、チラシやパンフレットは、ブースに入れなかった方だけでなく、ブースに入ってくれた方にもお渡ししてよいものです。
また、ノベルティがあると人の注目を集めやすいです。ノベルティとは、社名や商品名、キャッチコピーなどを記した無料のオリジナルグッズのこと。展示会では、文房具、メモ帳、バック、うちわなど、すぐその場で使えるものが喜ばれます。
販促ツールの置き方
では、それら販促ツールはどのように置けばよいでしょうか?
通路を歩ている人から見てもらいやすいよう、そして手に取ってもらいやすいよう、通路の近いところに置いておくのがベターです。背伸びしないと見えない、手を伸ばさなければ手に取れないなどは、機会損失につながりますので、注意しましょう。
そして、販促ツールの近くには、「ご自由にお取りください」といった案内があるとよいでしょう。また、チラシ、パンフレット、ノベルティ、それぞれに複数の種類があるのなら、それぞれの違いが分かるような案内があるとよいでしょう。
なお、来場者さんの中には、販促ツールを雑に取っていく方がいます。一度手に取ったものを戻す方もいます。
それにより、
- 向きがずれてしまう
- 表裏が逆になってしまう
- 位置が変わってしまう
- カウンターから床に落ちてしまう
などといったことも起きてきますので、気をつけてください。
販促ツールは、乱雑に置かれていると、他の来場者さんからの印象が悪くなってしまいます。タイミングを見て、適宜、整理するようにしてください。
キャッチコピーの考え方
キャッチコピーとは
キャッチコピーとは、人の心をつかむ(キャッチする)ことを目的とした広告文(コピー)のこと。自社商品を知らない方に対して、「なんか気になる」と思わせるのがキャッチコピーの役割です。
例えば、新聞や雑誌を読む際、一つ一つの記事をじっくり見ていくことはあまりしませんよね。ざっと見出しを見渡してみて、興味のあるところだけをピックアップして読んでいくはずです。キャッチコピーも、この新聞や雑誌の見出しと同じような役割をします。
展示会の場合、ブースの雰囲気や商品の見た目、スタッフの声掛けなどで、「なんか気になる、ちょっと寄ってみようかな」と思ってもらえる場合もありますが、キャッチコピーがあるとより強力になります。ブースの目立つ場所には、展示商品のキャッチコピーを掲げるようにしましょう。
キャッチコピーを考える際のポイント
では、具体的にどのようなキャッチコピーにすればよいのでしょうか。
キャッチコピーは、
- どんな人向けか
- どんな未来が得られるのか
- 他とどう違うのか
といったことがぱっと見で分かるようにすることがポイントです。
キャッチコピーの例:
「店舗ビジネス向け、ただ置くだけで集客に繋がる自動販売機」
「これまでの半値で導入できる新型筋トレマシーン」
「業務効率が20%UP、IT企業向けプロジェクト管理システム」
「女性居住者から笑顔で感謝される集合住宅向け防犯システム」
キャッチコピーは、商品を基点とするよりも、顧客を基点とした方が、反応がとりやすくなります。
「話題の〇〇システムを搭載」「最高級の〇〇を採用」といったような商品を基点としたキャッチコピーもありますが、顧客からすれば、「自社にとってどんなメリットがあるか」が分かりません。
来場者さんは、「自社にメリットがありそう」と思うから、そのブースに足を運ぶのです。顧客のメリットを基点としたキャッチコピーを作るようにしましょう。
キャッチコピーについて詳しく解説していくと、1冊の本になってしまいますので、ここでは基本的な部分のみの解説にしました。興味のある方はぜひ調べてみてください。
展示会のキャッチコピーを考える際の注意点
展示会のキャッチコピーを考える際、ターゲットの範囲を広げすぎたり、表現を抽象的にしたりするのはNGです。なぜなら、商品を必要としない方を集めてしまうリスクがあるからです。
「自分に関係ありそう」と思ってブースに入ってみたものの、商品を見たり、説明を聞いてみたりすると、全然自分が求めている商品ではなかったーー 展示会では、このようなミスマッチがよく起こります。
来場者にとってみれば、他のブースを回る時間がなくなってしまいます。出展者にとってみれば、本当に商品を必要とする方に、人員やスペース、販促ツールなどのリソースを避けなくなってしまいます。これは誰にとっても不幸と言えるでしょう。
展示会では、時間やリソースに制限があります。展示会のキャッチコピーを考える際は、ターゲットの範囲を明確にする、表現を具体性にする、といったことを意識してください。
当日のスタッフの意識
見せたいものをしっかり見せられるようにする
展示会の当日に意識したいのが、スタッフの動きです。
展示物やキャッチコピーなどが、スタッフで隠れてしまっている… それによって通路を歩く来場者さんの目に入らなくなってしまう… 意外にも、このような場面が少なくありません。
せっかく商品をキレイに並べたのに、せっかくよい動画が作れたのに、せっかく時間をかけてキャッチコピーを作ったのに、来場者さんの目に入らないなんて、残念ですよね。
見せたいものがしっかり見せられるよう、当日のスタッフの動きには注意するようにしてください。
笑顔を心掛ける
当然のことではありますが、笑顔を心掛けるようにしてください。
やはり、沈んだ顔をしているスタッフや怖い顔をしているスタッフがいると、立ち寄りにくいものです。繰り返しになりますが、来場者さんは、知らない企業のブースに入ることに抵抗を持っています。余計な不安を抱かせないよう、気を付けてください。
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