飲食店、美容室、治療院、スポーツジム、サロン、学習塾、不動産屋などなど、お店というものを運営するにあたって、どのような看板を設置するかはとても重要です。
- 発見してもらいやすいか
- 必要とされる情報を記載できているか
- 読みやすいか
- 見た目がキレイか
- お店のコンセプトや雰囲気と合うデザインか
看板の内容によって、集客できるかどうかが大きく変わってきます。
しかし、いざ看板を作ろうっていうとき、悩んでしまうのが色です。「大きさや形、文言、写真についてはそれほど悩まないけれど、色ってどうすればよいのだろう? 全くと言っていいほど検討がつかない」。このように悩んでしまう店主さんが少なくありません。
ここでは、お店の集客力をアップさせるための、看板における色選びのポイントをご紹介していきます。
色が持つ力は看板にも使うことができる
あなたは、普段の何気ない生活の中で、「色」というものをどれくらい意識されていますか?
・警戒標識は、目立つよう、黄色と黒の組み合わせが多い
・見やすいWEBサイトにするためには、文字色と背景色に明度差をつけるとよい
・仕事の効率を高めるためには、仕事環境を集中力の高まる青で統一するとよい
・政治家が大勢の人の前で演説をするときは、情熱的なイメージを与えるために、赤のネクタイをする
このような話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。聞いたことがなかったとしても、なんとなくのイメージはできると思います。
こうした色の力は、看板においても活かすことができます。気づきやすさ、読みやすさ、お店に対して抱く印象などは、色が大きく関係してきます。もちろん、それは集客の面にも影響していきます。
せっかくの自慢のお店です。看板を作る際には、大きさや形、文言などに加えて、色にも気を配るようにしましょう。
色の使い方には、難しそうなイメージや特別なセンスを必要とするイメージなどがありますが、基本をマスターすれば問題ありません。どんな方でも、自分のお店に適した色使いができるようになります。
以下、具体的に、集客力を高める色選びのポイントをご紹介していきます。
集客できる看板にするための色選びのポイント1:誘目性・視認性が高まる色を使う
まずは、誘目性と視認性について考えましょう。
誘目性とは目に入ってきやすいかどうかの度合いのこと、視認性とは内容を認識してもらいやすいかどうかの度合いのことです。
単純に、誘目性・視認性が高い看板ほど、多くの人に見てもらえるようになり、集客力もアップします。
色に関する基本的事項
これから誘目性・視認性を高める色選びのポイントを紹介していきますが、その前に色に関する基本的事項をおさえておきましょう。
【色の三属性】
色の性質には、「色相」「明度」「彩度」と3つの要素があり、「色の三属性」と呼ばれます。
それぞれの要素を簡単にご説明していきます。
色相とは、赤、橙、黄、緑、青、紫など色の種類のことです。
明度とは、色の明るさの度合いのことです。明度が高いほど明るくて軽い印象に、明度が低いほど暗くて重い印象になります。最も明度が高い色が白で、最も明度が低い色が黒です。彩度とは、色の鮮やかさの度合い(白・黒・グレーの少なさの度合い)のことです。彩度が高いほど色みが強く派手な印象に、彩度が低いほど色みが弱く地味な印象になります。
【色相環と補色】
色相環とは、図のように、色の近いものを隣同士にしながら円形に並べたものです。
そして補色とは、色相環において、向かい合わせの位置にある色のことで、「赤と青緑」「青と橙」「黄と青紫」などがその例です。
【暖色と寒色】
暖色とは赤、橙、黄など暖かさを感じさせる色のことで、寒色とは青緑、青、青紫など冷たさを感じさせる色のことです。
そして、暖色と寒色のどちらにも属さない黄緑、緑、紫、白、黒などは中性色と呼ばれます。
以上が、色に関する基本的事項の説明です。それでは、本題に入っていきましょう。
誘目性を高める
道路にある安全標識や工事現場などにある立ち入り禁止標識などでは、赤や黄などの暖色が使われています。また、同じ暖色の中でも、明度・彩度の高い暖色が使用されています。
なぜだか分かりますか? そのような色を使った方が、誘目性が高まり、周囲にいる方に気づいてもらいやすいからです。
仮に、明度・彩度の低い寒色が使われていたらどうでしょう? 周囲にいる方に気づいてもらいにくくなり、事故やトラブルなどが起きやすくなるでしょう。
お店の看板においても、ここはポイントとなります。明度の高い色、彩度の高い色、暖色を取り入れると、誘目性が高まり、お店の周辺にいる方に気づいてもらいやすくなります。
特に、下記のような場所に看板を設置する場合は、この誘目性を意識するようにしましょう。
・人通りや車通りの多い場所
・お店が密集している場所(たくさんの看板が場所)
・暗い場所
視認性を高める
誘目性とともに高めたいのが視認性です。
誘目性は一つの色で決まりますが、視認性は一つの色では決まりません。視認性は背景とのコントラストの度合いで決まります。コントラストを生み出す方法としては、下記のようなものがあります。
【明度に差をつける】
見てもらいたい対象(文字、数字、イラスト、写真など)を明度の高い色にして背景を明度の低い色に、あるいは見てもらいたい対象を明度の低い色にして背景を明度の高い色にすると、視認性が高まります。
【彩度に差をつける】
見てもらいたい対象を彩度の高い色にして背景を彩度の低い色に、あるいは見てもらいたい対象を彩度の低い色にして背景を彩度の高い色にすると、視認性が高まります。
【色相に差をつける(補色を使う)】
見てもらいたい対象と背景に補色関係にある色を使うことで、視認性が高まります。
なお、補色関係にある色を使う際は、ハレーションというものが起きてしまうことがあるので注意してください。ハレーションとは、色と色の境目がぼやけて見えにくくなってしまう現象のことです。ハレーションは、間に白や黒を取り入れると解消されやすくなります。
集客できる看板にするための色選びのポイント2:お店の業種業態やコンセプトにマッチした色を使う
各色には特有の力がある
それぞれの色には、特有のイメージや心理効果があります。
たとえば、赤には情熱的なイメージがありませんか? 青には落ち着いたイメージがありませんか?
また、赤を見るとき、どちらかというと食欲が湧いてきませんか? 青を見るとき、どちらかというと食欲が落ちてきませんか?
お店の看板においても、こうした色が持つ力を活かすことができます。
お店の業種業態やコンセプトにマッチする色を看板に使うこと。これも集客できるお店にする上で重要なポイントとなってきます。
各色のイメージや心理効果
それでは、それぞれの色のイメージや心理効果、その色にマッチするケースなどを具体的に見ていきましょう。
【赤】
赤のイメージ:元気、情熱、活動、熱い
・食欲を高める効果があるため、飲食店の定番カラーとなっている
・高揚感を高める効果があるため、イベント系の看板に向いている
・インパクトが大きいため、際立たせたい場合に向いている
【橙】
橙のイメージ:楽しい、明るい、陽気、行動的、親しみ
・そのイメージから、気軽に入ってきて欲しい場合に向いている
・赤と同様、食欲を高める効果があるため、飲食店の定番カラーとなっている
・コミュニケーションを活発にする効果があるため、大勢の人が集まるイベントの看板に向いている
【黄】
黄のイメージ:楽天的、にぎやか、無邪気、躍動、希望
・橙と同様、そのイメージから、気軽に入ってきて欲しい場合に向いている
・気分を明るくする効果があるため、暗い雰囲気になりがちなサービスを扱うお店に向いている
・イキイキとした新鮮な雰囲気を生み出すため、新しいサービス・キャンペーンの看板に向いている
【緑】
緑のイメージ:安心、休息、調和、穏やか
・そのイメージから、お客さんにゆったりとくつろいで欲しい場合に向いている
・自然を連想させるため、自然食品店の定番カラーとなっている
・人をリラックスさせる効果があるため、治療院の定番カラーとなっている
【青】
青のイメージ:冷静、落ち着き、知的、誠実、爽やか
・知性や集中力を高める効果があるため、学習塾の定番カラーとなっている
・気持ちを落ち着かせる効果があるため、歯科医院の定番カラーとなっている
・夏を連想させるため、夏と関連するサービス・キャンペーンの看板に向いている
【紫】
紫のイメージ:高貴、上品、優雅、神秘的
・昔から宗教で使われてきた色であるため、スピリチュアル系のお店で使われている
・高貴なイメージが強く、そのイメージを訴求したい美容室やエステサロンなどに向いている
・万人向けの色ではないため、敷居の高さをアピールしたい場合に向いている
【白】
白のイメージ:純粋、潔白、崇高、標準
・そのイメージから、クリーンな印象を与えたい場合に向いている
・清潔さやシンプルさを連想させるため、清掃業者でよく使われている
・気持ちを軽くする効果があるため、あえて敷居を低くしたい場合に向いている
【黒】
黒のイメージ:重厚感、頑丈、威厳、高級感、落ち着き
・高級感や威厳といったイメージから、格の違いをアピールしたい場合に向いている
・高級感や威厳といったイメージから、最もグレードの高い商品の看板に向いている
・大人を連想させるため、大人をターゲットとしたお店に向いている
看板製作時の3つの注意点
これまで、集客できる看板にするための色選びのポイントをご紹介してきましたが、実際に看板制作を行う際は、下記のような点に注意してください。
【看板製作時の注意点1:周りと同化させない】
看板を設置するとしても、他のお店の看板や風景などと同化してしまっていては、なかなか人の目には留まりません。
たとえば、青の看板が多くある通りに同じ青の看板を設置してしまうと、他の看板と同化して目立ちにくくなってしまいます。また、木がたくさんあるようなところに、緑の看板を設置してしまうと、木と同化して目立ちにくくなってしまいます。
なるべく、他のお店の看板や風景などと被らない色を使うようにしましょう。
【看板製作時の注意点2:使用する色はなるべく絞る】
看板に使用する色はなるべく絞るようにしてください。
特に気にしないままたくさんの色を使用しているお店もありますが、ごちゃごちゃしたうるさい雰囲気になってしまいます。内容に集中してもらえるよう、使用する色は2色から4色程度にしましょう。
【看板製作時の注意点3:雰囲気を統一する】
複数の看板を設置する際は、雰囲気を統一するようにしてください。
看板によって、雰囲気にズレがあると、「何かがおかしい」「なんか落ち着かない」などといったような、不安感を抱かせてしまいます。
また、たとえば駅前など、お店とは別の場所に看板を設置している場合も同様です。看板の雰囲気にズレがあると、お店の前まで来たときに、「あれ、別のお店に来てしまったかな」などといったように勘違いをさせてしまうことがあります。
複数の看板を設置する際は、不安感を抱かせたり勘違いをさせたりしないよう、雰囲気は統一するようにしてください。
チラシやホームページなども、なるべく看板の雰囲気と合わせるのがベターです。
まとめ
集客できる看板にするための色選びのポイントをご紹介してきました。せっかく自慢のお店です。認知してもらえない… じっくりと内容をみてもらえない… 間違った印象を与えてしまう… なんてことがあっては残念ですよね。
あまり意識されていない店主さんも多いのですが、看板は極めて重要な集客ツールです。看板の内容によって、集客数というものは大きく変わってきます。
これから新規で看板を作ろうとお考えの方も、今ある看板のリニューアルをお考えの方も、ぜひ今回ご紹介した内容を役立ててください。
看板のデザインを専門業者さんに任せるというケースであっても、今回ご紹介した内容をおさえておくと、要望を伝えやすくなると思います。
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