屋外用のデジタルサイネージはリスキー?
室内環境とは違い、屋外にデジタルサイネージを設置する場合には様々な過酷さがあります。雨や粉塵はもちろん、直射日光、熱、寒暖差の激しさなどです。屋外用のデジタルサイネージは、防塵防水性能や冷却機能を備えていますが、それでもやはり室内設置よりも劣化が早く、故障も多くなります。
今回は屋外用のデジタルサイネージによくあるトラブルや、その対処法を紹介します。
よくあるトラブル1.画面焼け
直射日光の影響が激しい場所では、絵企業の画面焼けが発生することがあります。上の写真は画面の上部が茶色に焼けているものです。画面が焼けると、液晶ディスプレイを交換するしか方法がありません。
屋外用の液晶ディスプレイはテレビなどと違い、画面を明るくしている専用ディスプレイになリます。画面の大きさにもよりますが、専用ディスプレイの価格は数十万円になるため、交換費用も含めると結構な修理代になってしまいます。
よくあるトラブル2.ブラックアウト
液晶が熱せられることによって発生するブラックアウト現象です。写真では右上の部分が暗転していますが、画面全体が真っ黒になる場合もあります。
液晶の温度が下がると正常に映り出しますが、一度この現象が発生すると夏場は特に頻発するので、根本的な対策が必要です。
よくあるトラブル3.画面にマリモのような黒いシミができる
屋外に設置しているからできるというわけではありませんが、このような黒い斑点が画面上にできることがあります。主な原因は液晶ディスプレイの劣化が原因で、過酷な環境の屋外ではこのような事象が発生する可能性が高まります。
この場合もディスプレイ交換以外に方法がなく、修理をするか破棄するか、買い替えをするかの選択になります。
トラブルを未然に防ぐ方法
屋外用のデジタルサイネージに故障や不具合が起こっても、基本的には自分で修理することができません。そのため、トラブルを未然に防ぐ策を講じることが重要です。また、サイネージ本体の性能も確認した上で設置を検討しましょう。
1.しっかりとした防塵防水性能と冷却機能を持った機器を選定する
価格やデザインのみでデジタルサイネージを選ぶと、重要な防塵防水性能や冷却機能が乏しかったりします。屋外でも屋根下の直射日光や雨の影響がない場所や、完全に野ざらしの場所に設置するかでも必要な性能が変わります。
直射日光や雨風の影響が激しい場所では、IP55以上の防塵防水レベルを確保したものが良いでしょう。冷却についてはファンによる空冷、ヒートシンク、クーラーなどの種類があります。空冷を採用しているデジタルサイネージが多いですが、直射日光の影響が大きい場所ではクーラー付きのものを検討しても良いです。
2.設置場所や設置方法を考える
設置場所は人目につく場所であることが前提ですが、なるべく雨や直射日光の影響が少ない場所を選びましょう。通気性の良い場所に設置することをおすすめします。
3.後付けでできることを実施する
デジタルサイネージを設置した後でもできることはあります。例えば簡単な庇を設置して日陰を作ったり、赤外線をカットするフィルムを貼るのも有効です。デジタルサイネージディスプレイは熱に弱いので、設置後に対策できることはしておきましょう。
屋外にデジタルサイネージを設置する場合にはリスクが有ることを知っておこう
このようにデジタルサイネージを屋外に設置することはリスクが高く、故障や不具合が起こる可能性があることを理解しておきましょう。環境が悪い場所では数年で壊れるような事例もあるので、できる限り設置環境を良くして、長持ちをさせましょう。
また、場合によっては早い段階で不具合が生じたり、故障が起こるケースがあるます。設置後まもなくは保証対応が効くことがほとんどですが、保証期間を過ぎると有償になってしまうため、そのリスクを理解したうえで検討してください。