日本最大級の大きさ!設置側も初めての体験でドキドキ
2020年夏、弊社にとって大きなチャレンジとなる依頼が舞い込んできました。あの「ぷっちょ」で有名なUHA味覚糖さんが、大阪の本社ビルに巨大なモニターを設置されたいとのことで、弊社も相見積もりの依頼を受けたのです。数ヶ月間のやり取りを経て、弊社に発注をいただく結果となりましたが、問題は…
そんなにデカいモニター、設置した経験ない(汗)
ただ、お引き受けしたからにはやるしか無い。いつもやってることが巨大になるだけで、原理的には同じなんだから。未体験の大きさに少しの不安も感じつつ、頭の中にはアントニオ猪木の名言「出る前に負けること考えるバカいるかよ!(張り手)」と思い浮かべるのでした。
UHA味覚糖とは?
ご存じの方も多いと思いますが「ぷっちょ」や「さけるグミ」などユニークなお菓子を製造されているメーカーです。近年はサプリメントも開発され、老若男女を問わず愛される商品を世の中に提供されています。
導入に至るまでの経緯
今回、UHA味覚糖さんが巨大モニターを導入されるまでの経緯、設置風景を時系列順に紹介していきます。
なぜ、巨大液晶モニターの導入を決定したのか?
設置をする場所はビル9階の多目的ホール。こちらは一般にも貸出を行っていたそうですが、近年はコロナ禍の影響もあり、ほぼ自社のリモート会議や入社式・株主総会などのイベントで使用されているとのことでした。大きなスクリーンがあり、これを撤去して液晶マルチモニターにするという意向です。
プロジェクターでは鮮明な画像や映像が表現しにくいため、十分な明るさと解像度がある液晶に交換して会議やイベントの効率化をするということ。社員の士気向上に繋げたい意図があります。
設置前に下見
弊社の場合は間違いのない設置工事を行うため、工事の大小を問わず必ず下見を行います。プロジェクター用のスクリーンやブラインドを収納してもらい、モニターを設置するための調査を行います。
今回助かったのは、強靭な鉄骨がすでにあったことです。この鉄骨を利用して土台を作り、そこにモニターを設置するようにしました。
足場の組み立て
巨大な画面を構築するため、まずは足場を組み立てます。
これで安全に作業が行える体制が整いました。
壁面土台を作る
次にモニターを設置するための壁面土台を準備します。モニターの重量を計算し、厚みのあるコンパネ材を鉄骨を利用して打ち付けていきます。
部材の搬入
巨大な画面を作るには当然ですが沢山の機材や部品が必要となります。
弊社の強みは自社トラックの存在。運送会社を使わず自社配送することでコストカットが可能です。ちなみに今回はトラック2便で、約1.5トンの荷物を搬入しました。
壁面土台にモニター設置用ブラケットを固定する
モニターの設置には専用のブラケットを用います。
ブラケットはモニター1台につき1個となっていますので、モニターの台数分ブラケットを壁面に固定していきます。
モニターの最終チェックと設置
モニターは設置した後に異常が発見されると2度手間になってしまいます。そのため、設置直前にも念のためチェックを行います。
今回は使用する台数がかなり多いため、万全を期して数台の予備モニターも準備しておきました。モニターの背面にブラケットに設置するためのステーを取り付け、いよいよモニターを設置していきます。
液晶モニターは衝撃に弱いため、ここが一番神経を使う作業になります。慎重に行っていきます。
中継機の接続と配線作業
何十台ものモニターに同じ映像信号を送るためには、マトリクスという中継機が必要になります。
それぞれのモニターと中継機をHDMIケーブルで繋いでいきます。
電源を入れて設置後のチェック
一通り設置が完了したら再度画面に異常がないかチェックします。
異変があった場合に気づきやすいように、同一色を何パターンか用意してこまめに目視して確認します。
足場を外して映像を流してみる
確認が終了したら足場を撤去します。その後、再生用プレイヤーを中継機に接続して映像をテスト配信します。
画面レイアウトの設定
中継機のマトリクスは複数の映像入力を大画面に分割配信することが可能です。画面レイアウトをインプットしてマトリクスの設定を行います。
レイアウトは決まったパターンではなく、自分の好みに設定できます。例えば下の写真のように大きな1画面と右端の列には小さな画面が並ぶ用な感じです。
導入後の利用事例
ではUHA味覚糖ではどのような形で運用されているのでしょうか?実際にイベントへ立ち会わせていただき、取材をさせてもらいました。
入社式
本番の立会はできなかったのですが、リハーサルにお邪魔しました。式典のスケジュールやC、Mに出演されている芸能人の方から新社会人へのメッセージを流されていました。
社内研修
研修講師の方のPCを接続して、研修のための資料を表示しました。以前のプロジェクターより大きな画面で鮮明な映像が映ることで、後ろの方からでもはっきりと表示内容が確認できるようになりました。
国内外の各拠点を結んだリモート全体会議
リモート会議では参加者の表情がよく確認できる。共有画像がかなり見えやすくなったなど、導入にあたって最も効果の向上を感じられることになりました。
不安材料は?メンテナンスも大変では?
これだけ大きな画面になると、不安は故障やメンテナンスです。はっきり言って普通のモニターとは違うので、大変というか手間はかかります。しかし、様々な工夫をすることで手間を省き、安全かつスピーディーにメンテナンスを行うことができます。
専用ブラケットはプッシュ伸縮型
1番の懸念はモニタートラブルです。液晶の破損や変色などが万一起こった場合に対処しやすいよう、ブラケットに工夫をしています。
モニターを優しく押し込むとブラケットのロックが解除されて、モニターが飛び出てくる仕組みになっています。こうすることで万が一のモニタートラブルも手間なく対応できるようにしています。
高い場所のモニターがトラブルになったら?
メンテナンス用にローリングタワーという簡易的な移動式の足場を使用します。
これを使用することで高所のトラブルでも安全に対応することができます。
その他困ったことが発生したら?
使用方法など不明な点はいつもご連絡いただいています。代理店や中間業者が間に入ること無く、直接お問い合わせをいただくことでレスポンスに長けた対応が可能です。
日本最大級!?その大きさはなんと330インチ
今回導入いただいたのは55インチモニターを36台も連結した超巨大液晶マルチモニター。
横幅は7メートル強、縦幅は4メートルを超えます。一般的な施設には大きすぎますがホールや商業施設のイベント広場など、多くの人が集まる場所には設置する意味があるのではないでしょうか?
ということで、今回はUHA味覚糖さんの設置事例を御覧いただきました。最後までありがとうございました。