液晶画面を連結して大画面を作った場合、数年後によるあるトラブル
弊社でもしばしば横長や縦長の連結マルチモニターの依頼をいただくことがあります。今回は液晶モニターを連結する場合に考えておかなければいけない、数年後に発症するかもしれない「画面変色」のお話です。
横長マルチモニターの変色
弊社で設置したものではありませんが、駅構内に横長の連結液晶モニターがあります。これはモニターを縦にして、横並びに9台つなぎ合わせたものになります。9台でひとつの横長大画面を構築している図式です。
上の写真のように遠くから見るとあまり目立ちませんが、近くに行ってみると
色ムラが発生しています。
それぞれのモニターが時間経過とともに微妙に変色していってるんですよね。例えば家庭用のテレビなんかも買った当初からすると、数年利用したら色味が変わっているはずなんです。ただ他と比べる要素がないから気づかないだけなんですよね。別にちゃんと映っていれば問題ないですしね。
でもこの様に連結する場合は変色が起こると特に目立ちます。同じ白背景でもここまで色味が違うと少し引いちゃいますよね…
なぜこのような変色が起こるのか
モニターも機械である以上、個体差というものが存在します。同じ製品を同じ環境で、同じ様に使用していても経年劣化の具合はそれぞれによって違います。パネルメーカー(LGやSamsung、BOE)等の「生産ロットの違い」があるディスプレイが混在してる場合に発生しやすいといえます。
改善策は?
もしこのような現象に陥った場合、完璧に色合わせをする(キャリブレーション)ということは困難になります。しかし、モニター側の明るさや色彩調整を個別に行うことで近い色に持っていき、変色を目立たなくすることは可能です。
手順①明るさの調整
先程の白背景の写真だと色違いが強いように見えますが、実は単なる明るさ具合が変わってきただけの可能性もあります。もし明るさ調整だけでなんとかなればラッキーです。例えば青背景になると下のようになります。
こうしてみると色と言うよりも、明るさの違いだけのような気もしませんか?
手順②明るさ調整でごまかしが効かない場合は画質調整
画質の調整はかなり厄介ですが、やってみる価値はあります。ただし場合によっては現状より色違いがひどくなるケースがあるので、元の色合いやコントラストの数値を1台ずつ写真に撮って控えておくのが良いでしょう。最悪でも元の状態には復旧できるようにw
手順③納得いかなければ交換しか手がない
交換と言っても色違いが生じているものだけでなく、全台の交換が必要です。先にも述べたように変色の原因は「経年劣化による個体差」が生じたことです。なので一部だけ新品に交換すると余計に色合いがおかしくなる可能性が非常に高いと言えるのです。
お節介ですが提言をひとつ…
駅のような人が多数利用する場所には、このような大型モニターで広告を流すビジネスモデルが確立しています。もちろんビジネスですから、広告主は広告料を支払ってCMを流しているわけです。
慈善事業なら文句もないのですが、ビジネスが絡むことはやはりきちんとしないといけないと思うんですよね。管理業者、施設側、広告主も含めて他人事になっているのではないかと感じて止まないのです。
よってマルチディスプレイの経年劣化による色違い等を改善するために、契約等で定期的な交換やメンテナンスを条項に加えておくことも検討できます。
定期的な様子伺いと即時トラブル対応がポイント
機械なので故障や不具合はつきものと言うしかないのですが、病気と一緒で「早期発見・早期治療」に越したことはありません。ヤマトサイネージでは設置後もサポートを重視してご対応しています。