学校や教育機関でデジタルサイネージの設置が進んでいる
※兵庫県立龍野北高等学校様似導入いただいた165インチの液晶マルチディスプレイサイネージ
「デジタルサイネージ」はなんとなく広告や商業利用のイメージが強いかもしれませんが、実は教育機関への導入も加速的に進んでいます。デジタル・IT化が進む世の中において、学び方や教え方の改革が進んでおり、その一環としてデジタルサイネージを取り入れる学校が増えてきています。
中年である私は、古くはテレビ(NHKの教育テレビ)を授業中に視聴したことが、これに近い経験です。しかし席が後ろの方だと、小さなテレビ画面では何が写っているのかイマイチ理解できない時もありました。
また、大学生のころはプロジェクターで講義を受けることもありました。部屋が明るいままだと見えにくいため、照明を落としたり、カーテンを閉めてどんよりとした空気の中で勉強したことを思い出します。このような私の苦い経験ですが、それらを解決するのがデジタルサイネージなのです。
デジタルサイネージが学校や教育機関に導入される理由を探っていきます。
学校にデジタルサイネージを授業で使うメリット:講師にとって
※調理師学校の講堂に設置したデジタルサイネージ
デジタルサイネージを教育現場に導入することは、教える先生や講師にとってメリットがあります。例えばこの写真は調理師学校二設置したデジタルサイネージですが、パワーポイントの講義資料をデジタルサイネージに映すことはもちろん、カメラで講師の包丁さばきや調理方法をライブで映し出します。
講師は黒板やホワイトボードに内容を書くことなく、授業を進めることができます。更には生徒を近くに呼び寄せることなく、手元を見せることができます。わかりやすい授業が行えるため、質疑応答に割く時間を減らすことができ、スムーズな講義を行うことが可能です。
デジタルサイネージで授業を行うには、パワーポイント等で資料を作成する必要があるかもしれませんが、一度作ってしまえば違うクラスの授業で流用できたり、次年度に再利用することもできるので、毎回「書く」ことを考えるとかなり効率的であると言えます。
また、プロジェクターを使用している学校では、部屋を暗くしないと見えにくいという問題があります。私の場合、部屋が薄暗くなおかつあまり興味のない授業の場合は、睡魔に襲われた経験が幾度となくあります。どんよりとした雰囲気は、眠気を誘発させるのです。
デジタルサイネージは部屋の照明を落とすことなく、見せたい資料を表示することができます。部屋を明るく保つことで生徒の集中力を維持することができます。
デジタルサイネージを授業で使うメリット:生徒にとって
デジタルサイネージで授業を行うことは、生徒にとっても大きなメリットがあります。前述のように集中力が保てることもありますが、やはりくっきりと見えやすい大画面で資料を見ることができ、理解度が増す点です。
私の学生時代は黒板に書く文字が酷く汚い講師がいて、一体何を書いているのか理解できない事がありました。もちろん場合によっては黒板やホワイトボードに追記をすることも必要になるのかもしれませんが、基本的にパソコンを使用し他授業を受けることで、きれいなテキスト文字やグラフを見ることができるので、より良く理解できるでしょう。
また、授業以外にもレクリエーションや学園祭の盛り上げ役として、生徒主体のイベントで利用されるケースも多々あります。充実した学園生活を送るためにも寄与できるのがデジタルサイネージなのです。
授業以外でも学校でデジタルサイネージが活用されている
※大阪工業大学のエントランスに設置した大型デジタルサイネージ
学校に設置されるデジタルサイネージは、授業用だけではありません。よくある掲示板をデジタル化することもあります。掲示板のデメリットは何度も髪を張り替えないといけないことや、学生があまり興味を持って見ないことです。そのため周知したいことが伝わらず、不利益が生じることもあります。
写真は大阪工業大学様の学内エントランスに設置した大型のデジタルサイネージです。伝えたいことを大画面でスライドショー表示し、嫌でも目に入るようにすることを目的としました。張り紙やポスターを利用していた頃と比べ、学生への周知が格段に良くなったとの評価をいただいています。
このような大型のデジタルサイネージを設置することも有効ですが、コストを考えるとコンパクトなものを数か所に配置するのもありでしょう。下の写真は神奈川大学様の館内に、数か所導入いただいたコンパクトタイプのデジタルサイネージです。
画面は小さくとも学内の至る所に設置することで、学生の目に入るように工夫をします。コンテンツは動画やスライドをさせることで動きをもたせ、目につきやすくすれば利用価値が高まります。コンパクトタイプのデジタルサイネージは、キャスターを装備させれば簡単に移動させることができます。
トイレの前やエントランス、色々なところに設置してみて効果を測定することも可能です。また、オープンキャンパスや来客時のウェルカムボードとして利用することもできるので、TPOに合わせて簡単にコンテンツ変更できる点も魅力です。
屋外にデジタルサイネージを設置すれば、学校のPRや広告ができます。例えば「〇〇部全国大会優勝」などの横断幕をデジタルサイネージに表示したり、生徒募集の広告をすることでビジネス的な貢献もします。
※四谷学院天王寺校様のグランドオープンに合わせて導入いただいた屋外広告用デジタルサイネージ
周囲の環境にもよりますが、映像コンテンツと同時に音声を流すことでより一層の注目度を得ることができます。広告やPRをしたい場合には、デジタルサイネージを屋外に設置することがおすすめです。
※夜間は特に目立つ屋外用のデジタルサイネージ、無人で目立つPRを24時間行うことができる
教育現場の革命?大型タッチパネルデジタルサイネージとは?
先端の技術を駆使した授業では、タブレット端末を大画面にミラーリングすることもあります。手元のタブレットを操作することで、その画面を大きな画面に映し出すのです。タッチパネルは小型の端末(スマホやタブレット端末)しかないと勘違いされている方が多いのですが、実は大画面でもタッチパネル機能を使用することができます。
パソコンとディスプレイを接続すれば、上の動画のように大画面をタッチして操作することができます。生徒参加型の授業に利用したり、動画や資料を瞬時に共有したりと、教育現場の新たな方向性を探るデジタルサイネージになるかもしれません。
学校や教育現場のデジタルサイネージ設置事例
弊社ヤマトサイネージでの学校へのデジタルサイネージ設置事例です。ご参考ください。
1.Takaoka ePark プログラミングスクール様(富山県高岡市)
プロジェクターを使用して授業を行っていたが、画面の見栄にくさを解消するためにデジタルサイネージ(110インチの液晶マルチディスプレイを2機)を導入いただきました。プロジェクターでは得られなかった視認性があり、以前と比べてとても効果的な授業ができていると評価をいただいています。
プログラミング教室の他に、eスポーツの会場として利用されることもあり、様々な要望に応えるデジタルサイネージとなっています。
※授業以外ではこんな使い方もしている
2.調理師専門学校様(京都府京都市)
調理師の専門学校で講師の調理技術をカメラで中継し、生徒に見せるための大型デジタルサイネージです。後ろの席に座っても映像がしっかりと確認できる大きさです。また、パソコンやタブレットを接続して画面が表示できるようにもなっています。
事前に用意したパワーポイントの資料や動画データを駆使し、とても効果的で効率の良い授業運営を実現しました。学内での評価も上々というお言葉をいただいています。
3.兵庫県立龍野北高等学校様(兵庫県たつの市)
学校内で最も広い講堂に導入をいただきました。授業ではもちろん、入学式や卒業式などのイベントでも活躍します。以前は大きなホワイトボードが設置されていて、そこにマーカーで記入をしていましたが、利便性を考えてデジタルサイネージを導入いただきました。
県立の学校ということで入札案件となりましたが、無事弊社が落札することができて設置をしました。初期段階では使用方法に若干の不安がありましたが、今では操作にも慣れていただき、様々なシーンで活用いただいています。
先生や生徒からの評価が高く、非常に利用価値が高いとのお言葉をいただきました。
4.大阪工業大学様(大阪府枚方市)
学内のメインエントランスに165インチの液晶マルチディスプレイを導入いただきました。絶対に伝えたいことを、誰にでも見えるように表示させたいという思いを実現しました。わかりやすく表現するとしたら、「巨大なデジタル掲示板」です、
システムはとてもシンプルで、表示したい動画や画像データをUSBに保存し、デジタルサイネージに接続した簡易プレイヤーにUSBを挿し込むことで、自動的にコンテンツがループ再生されます。接続デバイスは簡単に変更することができるので、時にはパソコンをつないで映像コンテンツを表示させることもあります。
学生への周知徹底事項を主に表示しますが、オープンキャンパスなどのイベントでも大活躍をしているとのことです。導入を決めて良かったとのお声をいただいています。
学校や教育機関にデジタルサイネージは必要なのか?
※果たして授業でデジタルサイネージを使うことは正しいのか…
何もかもテクノロジーの発達でデジタル化が進む今、教育の現場でもデジタル化が進んでいます。私達はデジタルサイネージを扱う企業で、それを生業にしているわけですが、いかなる教育現場にもデジタルサイネージが必要と考えていません。昔ながらの授業風景を守ることも教育の一環ですし、それなりの古き良き部分が多様にあるからです。
デジタルサイネージを教育の現場で利用する場合に、最も効果的なのは大人数を収容できる大中の講義室です。前列でも後列でも、生徒が平等に学べる環境を作るためにデジタルサイネージは効果を発揮します。もちろん少人数のゼミでも利用する価値はあります。
いずれにしろ教育機関にデジタルサイネージを設置する場合には、どのように利用するかを真剣に考えて運用することが大切です。導入を検討する際には、どのような使用方法をして、どのような効果が得られるのかを先に考えておきましょう。それが、失敗しないデジタルサイネージ導入の第一歩となります。