屋外エントランスのデジタルサイネージ

屋外用の液晶デジタルサイネージを選ぶポイント

屋外へデジタルサイネージを設置検討する場合に知っておきたいこと

65インチ屋外用デジタルサイネージの壁面設置

屋外に液晶タイプのデジタルサイネージを設置したい場合、ポイントとなるのは以下の事項になります。

✅️価格
✅️設置環境による機器選定
✅️輝度(画面の明るさ)
✅️機器の寿命

これらについて説明をしていきますので、十分に検討の上、屋外用液晶デジタルサイネージの導入可否決定についてお役立てください。

1.屋外用の液晶デジタルサイネージの価格について

デジタルサイネージ 不動産

屋外用の液晶デジタルサイネージは、屋内用と比べて価格が高くなります。その要因としては「画面を明るくカスタマイズする」「防塵・防水筐体を使用する」ことと、「冷却装置を装備させる」ことが挙げられます。それぞれについて説明します。

【画面を明るくカスタマイズする】

屋外用の液晶デジタルサイネージに使用される液晶パネルは、日光の下でも視認性を確保するために画面を明るくカスタマイズするのが基本です。屋内用と同じ明るさにしてしまうと、昼間は画面の明るさが日光に負けてしまい、とても見えづらくなるからです。

デジタルサイネージにおいては、明るさの数値(輝度)を「cd/㎡(カンデラ)」という単位で表します。テレビやPCモニターなどの屋内で使用する液晶画面が概ね200~300cd/㎡なのに対し、屋外用では700cd/㎡~3000cd/㎡が推奨されています。

画面の輝度は設置環境や使用する時間によって選びます。例えば屋根下などであまり日光の影響がない場所では、それほど輝度を高くする必要はありません。また、屋外設置でも夜間営業型の店舗などで、夜間しか稼働しない場合には画面を明るくする必要はありません。

日光の影響があり、日中に使用する場合には輝度を最大限に高くすることが必要です。しかし、日中から夜間まで使用するケースでは、そのままの輝度だと夜間には画面が明るすぎて眩しいという現象が起こります。そのため輝度センサーを取り付けて、夜間は自動的に画面の明るさを調整する仕組みを取り入れているものもあります。

【防塵・防水筐体を使用する】

屋外用の液晶デジタルサイネージは、粉塵や雨・雪に対する対策が必須です。筐体はスチールかステンレスで作られることがほとんどで、耐衝撃性を高めています。また、画面部分は強化ガラスで覆います。この様にして屋外の過酷な自然環境や粉塵、ダメージへの配慮をしています。

防塵・防水の基準は「IPレベル」という規格で示されています。一般的に屋外用の液晶デジタルサイネージは「IP55」以上が好ましいです。例えばこのIP55ですが、IPのあとに来る最初の数字が防塵に対する等級となり、次の数字が防水の等級を示しています。

ちなみに防塵の保護等級5は「有害な影響が発生するほどの粉塵が内部に入らない」という内容で、防水の保護等級5は「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」ことを指します。防塵等級は0~6までの等級であり、防水等級は0~8までの等級が設定されています。

屋根下などの設置で雨の影響が無いような場所では、あまり防水性能を高める必要がありません。しかし、屋外用の液晶デジタルサイネージはパッケージ化されているものが多いため、必要がなくても防水性能の高いものから機器を選ぶようになります。

【冷却装置を装備させる】

屋外に液晶デジタルサイネージを設置する場合に問題となるのが、機器の内部温度です。液晶画面は高温になるとブラックアウトする仕組みになっています。スマートフォンが熱を持ちすぎると画面が黒くなって使用できなくなるのと同じです。

そのため屋外用の液晶デジタルサイネージ筐体内に、ファンによる空気循環システムやエアコンを装備させて内部温度を冷却します。特に夏場は機器自体が発生させる熱と、高い気温や直射日光の影響で画面がブラックアウトしやすくなります。冷却装置が作動していてもあまりに高温な場合は、一時的にブラックアウトが生じることもありますので理解しておきましょう。

冷却装置は常に動いているわけではありません。本体内部に温度センサーがあり、一定の温度を超えると作動する仕組みになっています。

【屋外用の液晶デジタルサイネージは屋内用よりも数倍コストがかかる】

以上のようなことから屋外用の液晶デジタルサイネージは、屋内用と比べて多くの変更点があります。同じ画面の大きさでも、本体価格に数倍の差がつきます。重量も増すため、送料や設置工事に関わる費用も高くなる傾向にあります。

機材だけの価格で判断するのではなく、設置まで含めた総額で見積もりを取り、コストの検討をするのが良いでしょう。

2.設置環境による屋外用液晶デジタルサイネージの機器選定

造幣局にデジタルサイネージ

屋外用の液晶デジタルサイネージは、設置環境や稼働させる時間帯によって選定します。ここでポイントになるのが「画面の縦横と大きさ」「設置方法」と「使用する時間帯・直射日光の影響」です。

【画面の縦横と大きさ】

画面の大きさは本体価格に大きく関わる要素です。当然画面が大きいほど高額になります。画面の向きを縦にするか、横にするかもポイントです。画面は大きいに越したことはないですが、設置場所のスペースとコストから総合的に判断しましょう。

【設置方法】

設置方法は大きく分けて「壁掛け」と「スタンド」になります。壁面に壁掛け用の金具を固定して取り付ける方法と、スタンドで自立させる方法です。スタンドタイプの場合には、基礎にアンカーボルトで固定する方法と、キャスターを付けて移動させるパターンがあります。

■壁掛け設置の例

屋外49インチ

壁掛けは省スペースで設置ができ、機器の本体価格や設置工事が比較的安く収まることが特徴です。屋外用の液晶デジタルサイネージでは最も設置率の高いものになります。

■スタンドタイプのアンカー固定の例

カフェの屋外デジタルサイネージ

アンカー固定の場合は基礎や電源工事が必要になります。その分工事費用が上がってしまいますので、事前に見積りを取って工事費も把握しておくことが大切です。

■スタンドタイプキャスター付きの例

住宅展示場のデジタルサイネージ

キャスター付きでは工事費が発生しません。屋外コンセントを利用して電源を取るようになりますので、屋外コンセントがない場合には電気工事が必要になることがあります。

【使用する時間帯・直射日光の影響】

使用する時間帯のポイントは、日中及び日中から夜間にかけて使用するか、夜間のみ使用するかです。多くの場合は前者になりますが、夜間営業型の店舗などでは後者になることがあります。日中に使用する場合は画面の輝度(明るさ)を極力高めてやる必要があり、夜間のみ使用するケースでは、高い輝度を必要としません。画面の輝度が高いほど価格も上昇する傾向にあるので、必要に応じた輝度選定を行うことが大切です。

【機器選定に迷ったら】

この様に屋外用の液晶デジタルサイネージといっても、インチサイズの大小、設置方法、画面の明るさなど多くの選定事項があります。良く分からなかったり、不安が生じたときには必ずデジタルサイネージ会社に相談したり、アドバイスを求めるようにしてください。そうすることで間違いのない機器選定ができ、無駄のないコストでデジタルサイネージを設置・運用することができます。

デジタルサイネージの画面輝度について

この画像に写っているデジタルサイネージの画面ですが、一方ははっきりと視認でき、もう片方は画面が暗くて何が映っているか分かりにくいですよね?画面が暗い方は決して故障しているわけではありません。強い日光の明るさに画面の明るさが負けてしまい、暗く感じるようになるのです。

画面の明るさのことを、デジタルサイネージでは輝度と呼びます。輝度はcd/㎡(カンデラ)という単位で表され、数値が高いほど明るいという意味になります。

画像の左側にあるデジタルサイネージは屋内用です。室内ではくっきりと見える映像も、直射日光の下では極端に見えにくくなってしまいます。しかし、夜になると不自由なく見れるようになります。例えれば、昼間を昼間に打ち上げても全くキレイではないのと同じ原理です。

それでは、各設置・使用環境に応じた適正な画面輝度を説明します。

【日中(から夜間)に日当たりの強い場所で使用】

日当たりの強い場所に設置をし、日中使用する場合には2500cd/㎡以上の画面輝度を推奨しています。先程の画像に出てきた右側の液晶ディスプレイが2500cd/㎡で、強い日差しの下でも画面が光り負けせずに視認性を確保します。

日中のみの使用であればこれで問題ないのですが、夜間も通して使用するケースでは、そのままの画面輝度では明るく眩しすぎるという現象が起こります。そのため、センサーを取り付けて夜間は自動的に画面の輝度を落とせるものがあります。

【日中(から夜間)に日当たりの少ない場所で使用】

午前中のみ日差しに当たる場所や路地裏、庇の下などの屋外でも比較的直射日光の影響が少ない場所では、画面の輝度は少し押さえ気味でも支障はないでしょう。とは言っても、日中の日陰でも室内照明の下よりも明るさがあるため、輝度の高いものを選ぶ必要があります。お勧めは1500cd/㎡以上です。

【夜間のみ使用】

夜間のみの使用をする場合は、輝度だけでいうとテレビと同等の300cd/㎡ほどで構いません。しかし、夜間の屋外使用のみを想定したニッチな商品を製造するメーカーは少ないのが現状です。一部の販売会社で700cd/㎡程度のものは販売していますので、ほかと比較して価格が安いようなら検討してみましょう。

屋外用液晶デジタルサイネージの寿命について

屋外エントランスのデジタルサイネージ

一般的に液晶パネルの寿命は15,000~50,000時間と言われています。例えば1日12時間使用するとして、年間で4000時間ほどになるため、3年~10年となります。しかし、屋内の安定した環境で使用した場合の概算値で、屋外の過酷な環境で使用することはより寿命が短くなる原因となります。また、デジタルサイネージという特性上、連続稼働をさせることが多くて負荷がかかりやすいこともネックです。

デジタルサイネージは自動車と同じで、様々な部品が組み合わさって作られています。デジタルサイネージの液晶パネルを車のエンジンと例えます。自動車はエンジンが壊れなくても、タイヤが摩耗して交換したり、ブレーキが故障して修理することもあります。また、数年に一度車検を受けて安心して運転できるような仕組みがあります。長く乗るには多くの維持費がかかります。

デジタルサイネージにも同じことが当てはまります。維持費は自動車ほどでは無いと思いますが、長く使うには細々とした修理を行い、メンテナンスをしながら寿命を伸ばしていきます。どちらも機械なので、修理ができないということはありません。車のエンジンが故障しても、修理や交換をすることができます。デジタルサイネージの液晶パネルも同じです。

しかし、心臓部が故障すると修理代も莫大になり、他のパーツも経年劣化が進んでいることから、維持していくよりも買い替えを選択するようになるのです。デジタルサイネージの寿命は、日当たりや粉塵の影響、使用頻度や気温などの条件により変わってきます。一般的には3~5年程度がデジタルサイネージの寿命と考えて良いでしょう。

屋外用の液晶デジタルサイネージを正しく選ぼう

以上のことを参考に、間違いのないデジタルサイネージを選びましょう。そして設置後はこまめなメンテナンスや、できるだけ負担をかけないようにすることが長持ちさせる秘訣です。機器選定に自身がない場合は、遠慮なく販売会社のプロの意見を聞きましょう。



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