デジタルサイネージ業界も日々技術革新が進んでおり、近年は「3Dサイネージ」が大きな注目が集まっています。従来の平面的な表示を超え、立体的で魅力的なコンテンツを表示できる3Dサイネージは、消費者の目を引き、記憶に深く残る効果的なマーケティングツールとして急速に普及しつつあります。
小売店の店頭から大規模な屋外広告まで、様々な場面で活用される3Dサイネージは、ブランドの差別化や顧客エンゲージメントの向上に大きく貢献しています。さらに、AR・VR技術との融合や AI による個別化広告など、その可能性は日々拡大しています。
そこで今回は、3Dサイネージの概要から最新技術、導入メリット、実際の活用事例、さらには将来の展望まで、次世代広告の可能性を徹底的に解説します。
3Dサイネージとは
3Dサイネージとは、従来の平面的なデジタルサイネージには実現できなかった、立体的なコンテンツの表示可能な次世代のデジタルサイネージです。この技術は、特殊な映像処理や光学技術を用いて、視聴者に奥行きや立体感を感じさせる広告コンテンツを作り出します。
近年、特に注目を集めているのが、ビルの上部にL字型のデジタルサイネージを組み込むパターンです。このL字型デザインは、ボックスのような立体的な見た目を生み出し、コンテンツがあたかも実際にそこに存在しているかのような錯覚を与えます。さらに、高度な3D技術を駆使することで、広告内の物体が画面から飛び出すような派手な演出も可能となり、通行人の目を引く効果的な広告表現を実現しています。
この3Dサイネージ技術は、都市景観に新たな魅力を加えつつ、広告主にとっても強力なマーケティングツールとなっています。
3Dサイネージの主な種類と特徴
3Dサイネージには主に3つの種類があり、それぞれ独自の特徴を持っています。
種類1:立体ディスプレイ型
立体ディスプレイ型は物理的なディスプレイ装置を使用して立体的な映像を表示します。このタイプは高解像度の映像を提供できるため、細部まで鮮明に表示されるのが特徴です。特にショッピングモールや展示会などで使用されることが多く、視覚的なインパクトが強いため、製品のプロモーションに適しています。また、リアルな立体感を出すために、視差バリア方式やレンチキュラーレンズ方式が用いられることがあります。
種類2:プロジェクション型
プロジェクション型はプロジェクターを用いて映像を投影する方式です。このタイプは設置が比較的容易であり、大規模な空間でも対応可能です。特に、建物の外壁やイベント会場の広いスペースなどで使用されることが多く、プロジェクションマッピングとしても知られています。プロジェクション型の利点は、既存の空間を有効活用できる点と、動的な映像表現が可能な点です。映像の大きさや形状を自由に変更できるため、創造的な演出が可能となります。
種類3:ホログラム型
ホログラム型は光の干渉を利用して三次元映像を作り出す技術です。ホログラム型は、観る角度に関係なくどの方向からも立体的に見えるため、視覚的な没入感が非常に高いのが特徴です。このタイプのサイネージは、ミュージアムや高級ブランドのショーケースなどで利用されることが多く、先進的なイメージを演出するのに適しています。また、ホログラム技術は進化を続けており、リアルタイムでのインタラクティブな体験も可能になっています。
3Dサイネージ導入の5つのメリット
3Dサイネージを導入することで、従来のデジタルサイネージでは得られない特別なメリットがあります。ここでは主な5つのメリットを解説します。
メリット1:視覚的インパクト
3Dサイネージは、従来の2Dディスプレイに比べて視覚的なインパクトが格段に高いです。立体的に映し出される映像は、見る人に強烈な印象を与え、記憶に残りやすくなります。
特に、商品やサービスのプロモーションにおいて、その視覚的なインパクトは非常に有効で、消費者の購買意欲を高める効果が期待できます。また、イベントや展示会などの場でも、3Dサイネージは注目を集めやすく、来場者の関心を引きつけます。
メリット2:記憶定着率の向上
人間の脳は印象的な映像に強く反応し、それが3Dであればなおさら記憶に残りやすくなります。立体映像が脳に与えるインパクトは、視聴者の記憶定着率を高め、情報を長期間記憶させることが可能です。メッセージやブランド名が潜在意識に浸透しやすく、広告効果が持続することが期待できます。
メリット3:訴求力の向上
3Dサイネージは視覚的なインパクトが非常に強いため、消費者の注目を集める効果が抜群です。従来の2Dディスプレイとは異なり、立体的な映像を表示することで、商品の魅力や特長をよりリアルに伝わります。例えば、新製品の発売時やキャンペーンの告知など、特定のメッセージを強くアピールしたい場合に3Dサイネージは非常に有効です。
メリット4:ブランド差別化の実現
3Dサイネージを導入することで、他の競合他社との差別化を図れます。特に、革新的な技術を取り入れることは、ブランドの先進性やクリエイティビティをアピールする絶好の機会です。消費者にとって新しい体験を提供することで、ブランドの印象を強くし、競争優位性を築きます。また、3Dサイネージは、店舗の内装やデザインにも応用可能で、全体の雰囲気を一新し、ブランド価値の向上に貢献します。
メリット5:集客力アップ
3Dサイネージのインパクトは、ただ目を引くだけではなく、店舗やイベントへの集客力を飛躍的に向上させます。視覚的に魅力的な演出が来場者の興味を引き付け、足を運ぶ動機を生み出します。また、驚きと感動を与えるコンテンツは、SNSでの拡散を促し、さらなる認知度向上と新規顧客の獲得にもつながります。
3Dサイネージ導入時の5つの注意点
3Dサイネージには革新的なメリットがありますが、もちろん注意点もあります。3Dサイネージを導入する前には、注意点についてもしっかり確認しておきましょう。
注意点1:コスト考察
3Dサイネージの導入には初期費用や運用コストがかかります。初期費用には、3Dディスプレイの購入やインストール費用、関連するソフトウェアのライセンス費用が含まれます。運用コストとしては、定期的なメンテナンス費用や電力消費が挙げられます。また、コンテンツの更新や改良にもコストがかかるため、予算計画をしっかりと立てることが重要です。
注意点2:設置場所の選定
3Dサイネージを設置する場所や環境は、視認性や効果に大きな影響を与えます。視聴者が最適な角度で3Dコンテンツを楽しめるように、視線の高さや距離を考慮した設置が必要です。また、屋外設置の場合は、天候や直射日光などの環境要因にも配慮する必要があります。
注意点3:環境への配慮
3D映像は、光の反射や自然光の影響を受けやすい場合があります。特に屋外での設置では、昼間の太陽光や夜間の照明などが映像の視認性に影響を与える可能性があります。周囲の明るさや気象条件に応じた環境調整が必要です。映像が見えにくくならないよう、設置場所の光環境を事前に調査しておくことが求められます。
注意点4:コンテンツ制作の課題
3Dサイネージの効果を最大限に引き出すためには、高品質な3Dコンテンツの制作が不可欠です。しかし、3Dコンテンツの制作には高度な技術と時間が必要です。特に、視覚効果を最大限に生かすためには、コンテンツのデザインやアニメーションに細部までこだわる必要があります。また、定期的に新しいコンテンツを提供するための制作スケジュールやリソースの確保も課題となります。
注意点5:技術的サポートの確保
3Dサイネージは高度なテクノロジーを活用しているため、導入後のトラブル対応や定期メンテナンスには専門的な知識が必要です。トラブル発生時に迅速に対応できるよう、信頼できる技術サポート体制を確保することが重要です。導入時には、メーカーやサービスプロバイダーのサポート内容や保証範囲を事前に確認しておくと安心です。
3Dサイネージの活用事例3選
3Dサイネージは海外ではどんどん導入されていますが、日本でも東京や大阪を中心に徐々に実装されています。ここでは東京都内に設置された3Dサイネージの事例を3つ解説します。
事例1:クロス新宿ビジョン
新宿東口の「クロス新宿ビジョン」は、2021年7月に突如3Dの猫が登場したと話題になりました。
錯視3D技術を用い、猫がビルに住んでいるように見せる映像は、多くの受賞歴があります。また、ZARDや日産デイズなどとのコラボ企画や、関連グッズ、カフェも展開されています。これらの取り組みにより、集客効果と話題性を高めています。
事例2:Habiul Shibuya Vision
ハビウル渋谷に設置された「Habiul Shibuya Vision」は、渋谷駅から徒歩1分の場所にあり、文化村通りに面した高視認性の大型LEDビジョンです。
ここでは、スケートボードをする3D犬「ハビウルくん」の映像が放映されており、注目を集めています。3Dコンテンツは従来の2Dより広告効果が高く、SNSとの連携企画も行われています。
事例3:OMOSANシンクロ
「OMOSANシンクロ」は表参道交差点近くのビルに設置された大型ビジョンで、6面の広告映像を同期放映するサービスです。
総面積は300㎡で、低い目線の高さにより高い視認性を持ち、2Dと3D広告の両方を効果的に放映できます。リニューアルにより、ビジョン面が表参道交差点側に移設され、視認性と広告効果が向上しました。
実用的なデジタルサイネージを導入するなら「ヤマトサイネージ」へ
デジタルサイネージ業界には、今回解説した3Dサイネージ以外にも最新技術を駆使した機種が毎年発表されていますが、企業や学校、公共交通機関の現場で実用的に使われるようになるには、まだまだ時間がかかります。
実務的な情報発信ツールとしてデジタルサイネージを使うのであれば、マルチディスプレイや液晶ディスプレイ、LEDビジョンが主流です。
このような実用的なデジタルサイネージを導入するのであれば、東京と大阪を拠点に日本全国でデジタルサイネージの販売から設置までワンストップで対応している「ヤマトサイネージ」にお任せください。
お客様の予算や設置目的に合う最適な機種をご提案させていただきます。デジタルサイネージのことは、ヤマトサイネージへお気軽にお問い合わせください。