80インチクラスの大型モニターは会議で使えるのか?
最近、会議で使用するプロジェクターが見えづらいから、大きな液晶モニターに変えたいというご要望がよくあります。しかし今回お伝えしたいのは「プロジェクターよりも大きな液晶モニターのほうが良い」ということではありません。
使用環境や会議人数、部屋の広さなどを総合的に判断して、どのような会議用モニターを導入するかを決定する必要があります。今回は一般的なルートで購入するには最大クラスの80インチ(前後)液晶モニターにスポットを当てて記していきます。
プロジェクターが会議で見えづらい要因
では一体、なぜプロジェクターが見えづらいのでしょうか?「光」と「解像度」の観点から説明します。
光の減衰
プロジェクターから発せられる光は強大であっても、壁面やスクリーンに映る映像が我々の目に入るまでに「光の減衰」がかなり起こってしまうからです。システムは懐中電灯と全く同じで、直接懐中電灯の光を見た場合はとても眩しいですが、照らした場所を見ても眩しくないですよね?プロジェクターから出た光が100とすると、スクリーンに反射した光は10にもならないのではないでしょうか?
それに付随して、明るい場所での使用は周りの明るさにプロジェクターの光が負けてしまうため、映像が著しく薄く映ってしまいます。そのため部屋の照明を落としたり、カーテンで屋外からの光を遮断する必要が出てきます。こうすることで映像の視認性は確保できますが、会議室の空間自体は薄暗いぼんやりとした雰囲気になってしまいます。
状況により解像度が落ちる
解像度とは映像の鮮明さを指します。プロジェクターにも解像度というものがあるのですが、それは映像を映し出す面積に応じて段々と悪くなっていきます。プロジェクターとスクリーンの距離が近ければ鮮明に見えるケースが多いですが、なぜプロジェクターを使うのかというと「大きな画面」で使用したいからです。そのためにはスクリーンとの距離が必要なため、必然的に解像度は悪くなってしまうのです。
プロジェクターを選ぶ理由とは?
以上のような要因でプロジェクターは見えづらいということができるのですが、一概にダメというわけではありません。プロジェクターのメリットは「持ち運びができる」ことです。見えづらい、場の雰囲気が暗くなるということに目をつぶることができるなら、フットワークの良さでプロジェクターを選んでも良いと考えます。
また、個人的に家庭で映画を楽しむ場合なども良いと思います。それは、自己満足の世界だからです。真っ暗な部屋であれば鮮明な映像が楽しめるでしょうし、何より他人が絡まないため人に迷惑をかけることがありません。
プロジェクターでの会議を86インチの大型液晶モニターに変えてみた
では、一般市場で手に入る液晶モニターでは最大クラスの86インチモニターを会議で実際に使用した場合、プロジェクターと比較してどのような違いを感じたかを説明します。
とにかく「文字」が見えやすい
会議資料の映像配信はパソコンを使用するケースがほとんどではないでしょうか?パワーポイントやエクセルシートをそのまま映すことが多いです。プロジェクターでは見えづらかった文字やグラフが、一気に見えやすくなりました。
プロジェクターが光を「反射」させているのに対し、液晶モニターはバックライトの光がカラーフィルターを通ったものを直視しているので、光源は弱くても結果的に明るく鮮明に見えるのです。
資料掲示中も部屋の雰囲気を保ち、活発な意見が飛び交う
大切な会議はやはり活発な意見交換がしたい場所。そのためには薄暗いどんよりした雰囲気はあまりよろしくないのではないでしょうか?部屋を暗くしなくても見えやすい液晶モニターのメリットです。
移動が困難なことが唯一のネック
例えば貸し会議室など他の施設や場所で会議を行う際に、移動が困難であることが大型液晶モニターのデメリットです。
結論
このようにそれぞれ長所と短所があるわけですが「会議の質」を求めるなら大型液晶モニターを選ぶべきです。しかし、移動ができないため社内の大中会議室への常設がオススメです。様々な場所で会議を行うのであればデメリットには目をつぶってプロジェクターでしょう。何せ今までプロジェクターを使っていたわけですから、今までと同じだけのことです。
会議室に大型液晶モニターを設置した事例「3選」
今回ご紹介したように、プロジェクターから大型液晶モニターに切り替える事例が増えています。ここでは、実際にヤマトサイネージがお客様の会議室に設置させていただいた事例を3つご紹介します。
事例1:会議室に110インチマルチディスプレイを設置
群馬県太田市にある群馬県立がんセンター様の会議室に、110インチの大型マルチディスプレイを納品しました。こちらもプロジェクターからマルチディスプレイへの切り替えをご希望でした。
プロジェクターは設置や片付け、映像を映し出す調整が手間でしたが、マルチディスプレイであれば、パソコンを繋ぐだけで、すぐに画面を映し出せます。
事例2:会議用の液晶マルチモニター
こちらも企業の会議室に、プロジェクターの代わりに、110インチの大型マルチディスプレイを設置した事例です。会議や社内集会の際に利用されており、会議で使用する資料を明るい大画面で見やすいとご好評を頂いております。
事例3:会議室に大型の130インチサイズマルチディスプレイを設置
兵庫県姫路市の企業様へ合計130インチの大型マルチディスプレイを設置した事例です。
このサイズの大型モニターでも、設置作業は数時間で終わるため、企業の業務を妨げる心配はありません。こちらもプロジェクターから切り替えた事例です。
80インチじゃ物足りない、もっと大きな液晶モニターはないの?
数十人規模、それ以上の収容人数を誇る広い会議室、ホールでは80インチでも画面が小さいと感じることがあるでしょう。そんな場合は仕方なしにプロジェクターを使うしかないのでしょうか?いいえ、そんな事はありません。下の写真はちょっと極端な例ですが…
このように液晶モニターを連結することで巨大な液晶マルチモニターを作ることができます。鮮明な大画面をご希望の場合はご検討ください。