初心者でもデジタルサイネージを自作/DIYすることはできる?
デジタルサイネージは、簡単なものなら誰でも自分で作ることができます。屋内店舗のエントランスやカウンター横など、主に屋内で使用するデジタルサイネージを検討する場合、コストダウンのために自作するのもひとつの方法です。
デジタルサイネージには色々なシステムが存在しますが、自作の場合はシンプルな構造で、誰でも容易に使えることが重要です。今回はデジタルサイネージのプロからの目線で、デジタルサイネージをどの様に自作すればよいかを説明します。
デジタルサイネージを自作/DIYするために必要な機材
デジタルサイネージを構成する機材は「ディススレイ・映像再生機・設置器具」の3点です。それぞれの選び方について解説します。
1.ディスプレイの選び方
ディスプレイはまず、横画面で使うか縦画面にするかを決定する必要があります。基本的に動画をメインで流したい場合は横画面、ポスターデータ等のスライドを行いたいケースでは縦画面で考えると良いでしょう。
次に考えないといけないのが大きさです。一般的には32インチ~55インチ程度で収めるのが基本です。あまり小さすぎるとデジタルサイネージとしてのインパクトが欠けますし、逆に大きすぎると自作するにはリスキーです。ちなみに43インチの画面だと、横画面の場合横幅が1m弱、縦幅は60センチ弱となり、A1ポスターの大きさに近いサイズになります。
横画面で使用するケースは使い古しのテレビや格安のモニターを購入し、デジタルサイネージディスプレイとして使用することができます。縦画面の場合はテレビや一般的なモニターを使用できないわけではありませんが、メーカーが「縦置き」で使用することを想定していません。そのためデジタルサイネージ専用ディスプレイを使用する方が良いでしょう。
デジタルサイネージ専用ディスプレイは一般家電メーカーでも生産されており、シャープやパナソニック、LG製などがおすすめです。インターネットで検索すれば価格もすぐにチェックできます。ただし、テレビに比べると価格は割高になります。
☑横画面で使用する場合は格安テレビ等を画面として使える
☑縦画面はデジタルサイネージ専用ディスプレイを購入しよう
2.映像再生機の選び方
映像再生機とは、広告や情報のコンテンツデータを再生する機械のことです。最近のテレビは対応するメディア(USBやSDカード)を挿し込めば、スライドショーや動画再生してくれるものがあるので、それで済むなら映像再生機を取り付ける必要はありません。
我々が映像再生機としておすすめするのは、USBメディアプレイヤーというものです。各社が販売をしていますが、安いものだと数千円~購入できます。一般的なデジタルサイネージで多用されるプレイヤーで、各製品によってできることが異なります。好みの使用法に合った映像再生機を使用しましょう。
また、デジタルサイネージ専用ディスプレイを使用する場合は、メディアプレイヤーが内蔵されています。一般的なテレビに搭載している内蔵プレイヤーよりも、デジタルサイネージに特化したものになりますので、別途映像再生機を購入する必要はないでしょう。
☑テレビを使用する場合は標準装備の再生プレイヤーを使うことができる
☑デジタルサイネージ専用ディスプレイなら映像再生機を購入する必要はない
☑映像再生機はUSBメディアプレイヤーがおすすめ
3.設置器具の選び方
設置器具とはいわゆる「ディススレイスタンド」のことです。卓上に設置するか床置きするかで選ぶスタンドが変わります。卓上のケースはテレビの場合、標準で付いてくるスタンドを利用すると良いでしょう。スタンドがない場合はネット販売で検索すると2,000円前後で購入できます。特に銘柄にこだわる必要はないので、予算に合ったものを選びましょう。
床置きするときはイーゼルスタンドがオススメです。また、キャスター付きの出し入れが楽に行えるものも良いでしょう。
スタンドはお好みのものをチョイスしましょう。各社背の低いものや高いもの、デザインも様々です。床置きスタンドの場合は数千円~数万円程度で購入できます。
☑希望の設置方法と予算に合わせた設置器具を選ぼう
プロが格安デジタルサイネージを作ってみた(参考価格も掲載)
では、デジタルサイネージのプロが自作をした場合、一体どのようなものがどの程度のコストで仕上がるのでしょうか?実際に試してみました。
イーゼルタイプ横画面デジタルサイネージ(43インチ)
LG社製の43インチデジタルサイネージ専用ディスプレイ(映像再生機内蔵)と、ハヤミ工産製のイーゼルスタンドを組み合わせて作ったデジタルサイネージです。組み立てにかかる時間は10分程度です。プラスドライバーのみで組み立て可能です。
ディスプレイの背面にUSBメモリを差し込む口があり、そこに映像データの入ったUSBを挿し込めば、自動でループ再生を行います。音声も一般的なテレビ程度の音量なら出力できるので、映像+音声で視覚にも聴覚にも訴える訴求力の高いデジタルサイネージになります。
■参考価格
・LG43インチデジタルサイネージディスプレイ 120,000円
・ハヤミ工産ディスプレイ用イーゼルスタンド 30,000円
【合計】150,000円
汎用スタンド縦画面デジタルサイネージ(32インチ)
フィリップス社製の32インチデジタルサイネージディスプレイと、汎用のスタンドを使用しました。簡単な組立作業は必要ですが、どちらもネット購入で総額は10万円以内で収まりました。こちらもディスプレイに映像再生機が内蔵されていて、USBを挿し込むだけで映像が流れ出します。スタンドにはキャスターが付いているので、移動も楽々と行えます。
■参考価格
・フィリップス32インチデジタルサイネージディスプレイ 60,000円
・汎用スタンド 8,000円
【合計】68,000円
最も安くデジタルサイネージを自作する方法
デジタルサイネージをもっと安く自作する方法があります。それは格安テレビを使用する方法です。メーカーに拘らなければ32インチで20,000円前後で購入できます。43インチだと40,000円前後です。汎用スタンドは安いものだと数千円から販売されていますので、好みのものを選びましょう。一般的なテレビスタンドを購入すれば問題ありません。
テレビのUSB再生機能だけでは、デジタルサイネージとして利用するには不便なことがあります。その場合はUSBメディアプレイヤーを購入して、HDMIケーブルでつないであげましょう。メディアプレイヤーは小型のものを選び、ディスプレイ裏にマジックテープ等で貼り付けておくとかさばりません。
この方法を取れば、総額で5万円以内でデジタルサイネージを自作することができます。
デジタルサイネージを自作/DIYすることのメリットとデメリット
デジタルサイネージを自作するには、メリットとデメリットがあります。どのような人に自作が向いているかも含めてご説明します。
デジタルサイネージを自作するメリット
デジタルサイネージを自作するメリットはただひとつです。「最も低コスト」にデジタルサイネージが設置できることです。ただし設置作業や放映方法については自分で理解してやっていくしかないので、全てが自己責任となります。
組立作業が問題なくできる方、パソコン等に詳しい方であれば問題なく運用ができると思われます。本格的なデジタルサイネージを導入する前に、テストで運用してみたい場合にもおすすめです。
デジタルサイネージを自作するデメリット
デメリットはサポート等が一切ないことです。使い方がよくわからない場合に頼る先がありません。トラブルが生じた場合にも自力でなんとかするしかありません。機械を使いこなす自信がない方は、少々コストアップしても専門業者に任せたほうが良いかもしれません。
本来のデジタルサイネージとは?ヤマトサイネージのデジタルサイネージはここが違う
さて、デジタルサイネージを格安で自作する方法をご紹介してきたわけですが、本来のデジタルサイネージとどのような違いがあるのでしょうか?その違いを理解して、正しいデジタルサイネージ選びをしてください。
設置状況に応じたデジタルサイネージが存在する
自作デジタルサイネージは基本的に室内でしか使用できません。雨やホコリ、直射日光の影響を受ける屋外で使うことができません。ヤマトサイネージではあらゆる設置環境に適合したデジタルサイネージを取り扱っていますので、屋外環境や特殊な状況の場所でも対応するデジタルサイネージのご提案が可能です。
画面をより明るく、視認性を高くしたディスプレイ
テレビや一般的なモニターはテレビ番組やパソコン画面を見るなど、長時間凝視することを目的とした画面です。そのため画面の明るさは押さえ気味で、落ち着いた感じの映像表示になります。逆にデジタルサイネージの場合は画面を明るく仕上げ、目立つように仕上げます。お客様や通行人にアピールするため、一瞬でも目を向けてもらうために画面にインパクトを持たせます。
ダメージに強い強靭な作りと審美性
自作デジタルサイネージは格安のモニターを使用するため、筐体の作りが簡素化されています。その分軽量であるというメリットはありますが、店先などの不特定多数の人がターゲットとなるデジタルサイネージの場合だと、いたずらや異物との接触で破損することも考えられます。
ヤマトサイネージのデジタルサイネージディスプレイは、液晶画面を強化ガラスで保護しており、画面破損のリスクを除外しています。また、全体的なデザインにもこだわり、自作デジタルサイネージとは全く異なる審美性を兼ね備えており、その佇まいもデジタルサイネージとしての存在感を高める要因になっています。
様々な利用用途、使用法に対応するフレキシブルさ
ヤマトサイネージが扱うデジタルサイネージは、「何ができて、何ができない」というものではなく、お客様の実現したいことに対してカスタマイズ製作ができたり、システムを構築することができます。例えばカメラやマイクの内蔵、人感センサー、AIとの連動などです。高度な要求にも応えられるのがヤマトサイネージのデジタルサイネージです。
最後に:自作デジタルサイネージのおさらいと注意点
デジタルサイネージは知識のある方や、一先ず1台だけどのようなものなのか使ってみたい人にはおすすめです。しかし、画面の大きさが限られることや、設置環境が屋内に限られることを覚えておきましょう。
ただ、デジタルサイネージは機器を設置するだけでは意味がありません。流す動画や画像データをどうやって用意するのかという問題もあります。デザイン会社に依頼して制作する方法もありますし、自分で作れるのであればそれもひとつの手です。機器だけにとらわれす、映す内容についても事前に考えておく必要があります。
いずれにしろデジタルサイネージを自作する場合は、全てが自己責任で運用するようになります。コスト感と比較して、自作するべきかどうかをご検討ください。
👇デジタルサイネージ選びに迷ったら下記よりお問い合わせください。
https://yamato-signage.com/contact/