従来のデジタルサイネージは、看板やポスターを電子化したツールとして一方的に情報を伝えることが主な使い方でしたが、近年は双方向のコミュニケーションを取る使い方が増えています。
デジタルサイネージで双方向のコミュニケーションを可能にしたのが「タッチパネル機能」の登場です。
デジタルサイネージでタッチパネル機能が使えるようになることで、お客様が自分で操作しながら欲しい情報を取得できるようになります。
そこで今回は、タッチパネルデジタルサイネージの概要や導入するメリット、注意点などをわかりやすく解説します。
タッチパネルデジタルサイネージとは?
タッチパネルサイネージとは、一方的な広告などの情報配信だけではなく、インタラクティブ(双方向)な利用ができるデジタルサイネージです。 利用者は自分の求める情報を知ることができ、発信側は利用者をより深い部分まで誘導できるというメリットがあります。
タッチパネル機能を有するにはWindowsやAndroidなどのOSが必要となります。言わば大型のタブレットとも言えます。そう考えると理解しやすいと思います。
通常ディスプレイでの情報発信は不特定多数の通行人をターゲットにし、なるべく多くの人に見てほしいという概念です。 タッチパネルの場合はパーソナル(個人)を対象とするシステムです。ただし利用者がいないときはスクリーンセーバー的に映像配信することもでき、利用の幅が広がります。
タッチパネルデジタルサイネージのよくある導入目的
タッチパネルデジタルサイネージは、店舗や施設、企業のバックヤードなど、さまざまな場所で導入が進んでいます。インタラクティブな操作が可能なため、情報提供だけでなく、顧客体験の向上や業務効率化にも貢献します。ここでは、よくある導入目的について紹介します。
目的1:購買促進 – 店舗での購買行動をサポート
店舗にタッチパネル型デジタルサイネージを設置すると、顧客が画面をタッチして商品情報を確認できるため、購買意欲を高める効果が期待できます。
店員と会話せずに買い物をしたい顧客や、詳しい説明を自分のペースで知りたい人にとって、ストレスなく買い物ができる環境を提供できます。また、動画やプロモーションコンテンツを組み合わせることで、商品の魅力を視覚的に伝えることも可能です。
目的2:施設案内 – 直感的な操作で目的地まで誘導
商業施設や公共施設、病院、オフィスビルなどで、タッチパネルサイネージを案内板として活用するケースが増えています。利用者は画面をタッチして目的の場所を検索できるため、迷うことなくスムーズに移動できます。
大型施設では、紙の案内図よりもデジタルサイネージのほうが視認性が高く、最新の情報に即座に更新できるため、利便性が向上します。
目的3:外国語対応 – 訪日外国人へのスムーズな情報提供
タッチパネルサイネージは、訪日外国人向けに多言語表示が可能です。従来のサイネージでも外国語対応が可能でしたが、タッチパネル型の場合、利用者が自身の言語を選択できるため、より分かりやすい情報提供が実現します。
観光地や空港、ホテル、商業施設では、外国人の利便性を高めるために、多言語対応のタッチパネルデジタルサイネージの導入が進んでいます。
目的4:マーケティング活用 – ユーザーデータの収集と分析
タッチパネル型デジタルサイネージは、顧客がどの情報に触れたかを記録し、データとして蓄積できます。
このデータを活用することで、どのカテゴリの商品やサービスが人気なのか、どのキャンペーンに関心が集まっているのかを把握し、より効果的なマーケティング戦略を立てやすくなります。
目的5:従業員教育 – 工場やバックヤードでの学習ツール
オフィスのバックヤードや工場内にタッチパネルデジタルサイネージを設置し、従業員教育のためのコンテンツを配信する活用方法もあります。
特に製造業や物流業では、安全管理や業務手順を学ぶための動画コンテンツを表示し、従業員がタッチ操作で学習できる環境を整えることで、教育の効率化が図れます。
タッチパネルデジタルサイネージを導入する3つのメリット
タッチパネルデジタルサイネージは、使い方次第で通常のデジタルサイネージの何倍もの効果を発揮します。ここでは、実際に使われている事例からタッチデジタルサイネージのメリットを3つ解説します。
メリット1:飲食店での人的コストの削減
例えば飲食店でのランチタイム。混雑時にオーダーしようとスタッフを呼ぶが、忙しくてなかなか来てくれない。そんな経験はないでしょうか?タッチパネルサイネージはそのような状況の改善にも役立っています。
タッチパネルでのオーダーや会計システムなど、最近目にする機会が多くなっています。この導入目的は「人的コストの削減による顧客満足度の向上」です。
メリット2:顧客満足度の向上
多くの業界で人手不足が深刻となる中、全ての業務を人の手で行うということが困難になってきています。また慢性的な業務負担の大きさにより、スタッフのモチベーション低下、 更には離職につながるというケースも少なくありません。限られた人的資源を業務のどこに注力するかによって、顧客の満足度が大きく変わってくるでしょう。
メリット3:顧客データの獲得
また、データの蓄積による分析ができる点も大きなメリットです。時間帯や季節によるデータの収集を分析することで、今後の戦力を考える上での手助けとなることは間違いないでしょう。
タッチパネルデジタルサイネージを導入する3つの注意点
タッチパネルデジタルサイネージは大変便利なツールですが、便利な反面、取り扱いに注意が必要な点もあります。特に注意すべき3つの注意点を解説します。
注意点1:導入コスト
機器の価格低下で導入しやすくなったタッチパネルサイネージですが、導入の際に最も重要なのはシステムです。タッチでの誘導システムは複雑になるほど構築に時間を要するため、その開発費も考えておかないといけません。
注意点2:設置環境に注意
設置環境も大きなポイントです。タッチパネルは利用者に触ってもらうことが最大の目的です。利用者層や場所をリサーチし、より効果が求められる環境に設置するようにしましょう。
さらに、屋外に設置する場合は、屋根の下や軒下など雨が当たらない環境が望ましいです。
注意点3:パーソナルな訴求が中心
大型のデジタルサイネージと言えば、大勢に広く訴求できることが最大の強みですが、タッチパネルデジタルサイネージは、操作をしている1名に訴求する役割が中心になります。
そのために、コンテンツを個別に作り込む必要もあるため、狭く深く訴求する目的で使う必要があります。
タッチパネルデジタルサイネージの導入事例3選
タッチパネルデジタルサイネージは、その特徴を最大限に活かすことで、幅広いシーンで活用できます。ここではヤマトサイネージが実際に導入した3つの事例をご紹介します。
導入事例1:駅構内に32インチのタッチパネルディスプレイを設置
大阪メトロ様の複数の駅に、タッチパネルデジタルサイネージを設置しました。
大阪は海外からの訪問客も多いため、複数言語への切り替えを可能にし、周辺の情報や電子の乗換案内などについて検索できるようになっています。
導入事例2:観光PRのためにタッチパネルサイネージを活用
大阪府の泉南市様にタッチパネルデジタルサイネージを設置した事例です。街の観光PRのために導入されました。
デジタルサイネージ本体も表示するコンテンツもスタイリッシュに作り込むことで、訪問客の満足度を上げ、リピート訪問につなげています。
導入事例3:カーディーラーに大型タッチパネルを設置
神奈川県横浜市のウエインズトヨタ神奈川南店様に、110インチのタッチパネルマルチディスプレイを納品した事例です。
近年の車はカスタマイズ性が高く、細かいパーツまでを自分好みに選べます。ここに大画面のタッチパネルデジタルサイネージを導入したことで、タブレット端末やノートパソコンではイメージしづらかった「カスタマイズ後の車の全体像」を大画面でイメージしやすくなりました。
タッチパネルデジタルサイネージを効果的に使いましょう
タッチパネルデジタルサイネージは、通常のデジタルサイネージとは特徴も効果も大きく異なります。
広く大勢に伝える通常のデジタルサイネージと個別に深く訴求するタッチパネルデジタルサイネージを組み合わせることで、さらに高い訴求力を実現できます。
タッチパネルデジタルサイネージに興味をお持ちの方は、お気軽にヤマトサイネージにお問い合わせください。