大型建設・工事現場へのデジタルサイネージ導入事例
大規模な建設・建築現場や工事現場のICT化の一環で、デジタルサイネージの導入が全国的に進んでいます。主に朝礼看板として活用されており、弊社にもお問い合わせやご注文をいただいております。今回はその導入から活用方法、注意点までの一部をご紹介いたします。
↓建設現場専用のLEDビジョン、デジタルサイネージはモニたろう。
くわしくはこちらから御覧ください。
建設現場で使われるデジタルサイネージを提供しています。
三重県の大型施設建設現場に設置したデジタルサイネージです。55インチの液晶モニターを4枚連結したマルチサイネージです。設置場所は屋外で、もちろん防水・防塵加工を施した屋外専用の筐体に仕上げました。
屋外へのデジタルサイネージ設置でポイントとなるのが画面の明るさ(輝度)です。輝度とはcd/m2(カンデラ)という数値で表現され、その数値が大きいほど明るいということになります。
今回は直射日光の当たる場所への導入だったため、高輝度の2500cd/m2モニターを使用いたしました。屋外の直射日光下では輝度が低いと極端に映像が見えにくくなります。
テレビモニターやスマートフォンの画面が約400-500cd/m2です。外でスマホの画面を見て、見えにくかったことがありませんか?
せっかくデジタルサイネージを設置しても、映像が見えにくいとガッカリです。屋外モニターの場合は最低でも1500cd/m2、推奨は2500cd/m2です。しかしながら東向きの現場で直射日光のあたる場所では2500cd/m2でも見えにくいと感じますので、大人数の現場では、後述するLEDビジョンも有用です。
建設・工事現場の朝礼看板で活躍するデジタルサイネージ
※左右の非表示部分は解消済み
建設現場でのデジタルサイネージの活用事例として大きな部分は、朝礼での情報共有です。様々な業者さんが出入りする大規模な建設現場では、しっかりと情報共有することが未然に事故を防ぎ、作業の効率化につながります。
朝のラジオ体操をデジタルサイネージで。タブレットの画面をデジタルサイネージの大画面に写し出し、現場の全員が行程や注意事項の把握をする、という具合に利用されています。実際に私も現場の朝礼に参加して感じたことは、まずは安全第一ということです。わかっていても常に現場で働く人にとって、注意も散漫になることがあるかもしれません。大画面で常に注意喚起を促すことで、より一層の安全対策となることでしょう。
建設・工事現場に設置する屋外用大型マルチサイネージができるまで
以下は建設現場の液晶デジタルサイネージが設置されるまでの流れです。LEDビジョンもほぼ同じ流れです。
1.打ち合わせ
まずは打ち合わせです。打ち合わせの際のポイントは以下のとおりです。
☑設置場所の確認、日当たりの確認
設置場所に適した筐体サイズやそれに伴うモニターのサイズを検証いたします。また設置場所が雨ざらしの場所なのか、屋根下なのか、適正なモニターの輝度をお調べするために確認をいたします。また朝礼参加人数、移設の有無、ご利用目的等細かくヒアリングさせていただきます。
☑映像配信方法の確認
建設現場の場合は日々更新されていく情報を、即座に反映させることを求められます。主にAppleTVとiPadをBluetoothでミラーリングさせ、Buildeeなどのクラウド図面管理システムと連携させて使用されます。
またタイムスケジュールを組んで朝礼の進行を管理する、昼休憩などのアナウンスを行う場合は、インターネット等を介したクラウド配信が主です。
※USBタイプのプレイヤーでも時間管理をすることが可能なものもあります。
クラウドを活用する場合、ビックパッドなどで記入した図面のキャプチャを朝礼看板に投影する、といった活用も可能です。
使用するということは当然インターネット環境が現場に必要ですので、Wi-Fiもしくは有線LANをご用意頂く必要がありますが、Pocket WiFiなどの活用も可能です。
どのような運用をするかのヒアリングが重要なポイントとなります。
☑モニターの確認
マルチサイネージの場合は主に46-55インチクラスのモニターを使用します。モニター選定の際に重要なポイントはベゼル幅です。ベゼル幅とはモニターの枠の部分の幅のことです。TVモニターやPCモニターに黒い縁取りがあるように、サイネージモニターにも付いています。マルチサイネージの場合はどうしても連結部にその枠のラインが出来てしまいます。要するに枠の部分が太いほどそのラインが目立ってしまいます。
マルチモニター専用の超薄ベゼルモニターも販売されていますが、高額になるためコスト的に諦めざるを得ないケースがあります。一般的なのは片側3.5mm程度のベゼル幅のものです。多少ラインは目立ちますが、許容範囲内でありまた安価でもあります。
コストのみで考えるなら、通常の液晶モニターを組み合わせるという方法もありますが、あまりに太いベゼル幅になりラインが目立ちすぎるため現実的ではありません。
2.お見積り
打ち合わせを元にお見積りを行います。
☑設計図の確認
作成した設計図で筐体サイズの確認やカラーの決定を行います。入念な打ち合わせ、確認作業を行い、承認後に最終見積を提出いたします。同時に図面の作成に入ります。間違いのないように入念なチェック、修正を行い最終図面を作成いたします。
3.筐体制作
大型サイネージの場合は既製の筐体がないため、全てオーダーメイドとなります。決定した図面を元にスタンドの作成、化粧ケースの作成を行います。
☑スタンド部
モニター部を支える土台の部分です。複数枚のモニターの重量をしっかり支える強度を持つスタンドを仕上げます。アンカー補強用の穴も大きさに合わせて適正な箇所に開けていきます。
☑化粧ケース部
マルチモニターの場合は土台とモニター部の筐体を分けて制作し、組み合わせします。雨が降っても水が侵入しないようしっかりとした防水仕様に仕上げます。
モニターの組付けも同時に行います。特注オーダーになるため設計~完成まで1ヶ月~2ヶ月の製作期間を要します。
最近では既存の朝礼看板に設置する場合も多く、その場合このような屋外用ディスプレイもおすすめします。輝度は2500カンデラで従来の液晶ディスプレイよりも格段に視認性があがりました。現在55インチ、65インチ、70インチ、75インチ、86インチをラインナップしており、また上記のように55インチを4面合わせるマルチディスプレイとして110インチを実現することも可能です。
上記は70インチディスプレイです。朝礼台につかわれる鋼板の横幅が900mmの場合、2枚分の鋼板分で収まります。
屋外用デジタルサイネージ
4.現地搬入
輸送中のトラブルがないようにしっかりとした梱包を行い、配送します。輸送はチャーター便になります。大型荷物になりますので輸送費もある程度かかってしまいます。地域や重量にもよりますが概ね10-20万円程度はかかります。
5.設置工事・養生・放映テスト
現地への搬入が済んだら、いよいよ設置、調整です。
☑設置工事
現場への設置の場合は、建設会社さんのほうが設置工事のプロであるため(笑)、クライアントさん側で基礎を用意していただき、搬入即設置工事ということがほとんどです。そのほうが段取り的にもコスト的にも間違いありません。また後述するLEDディスプレイの場合、w2000程度であれば筐体は50kg程度となり、ユニック等がなくても取付が可能です。
☑養生作業・テスト
最後に設置確認、養生作業を行います。間違いのないことを確認し、弊社側にてコンテンツの放映テストを行います。
☑運用トレーニング
最後に主にディスプレイを活用いただくご担当者様に簡単なご利用トレーニングを行います。機器の操作説明はもとより、トラブル時の一次的な確認事項、拡張的な活用方法をお伝えいたします。これによって納品は終了です。
設置後のサポート
もちろん納入後のサポートもお任せ下さい。基本的に保証期間内は正常な仕様をされている限り、無償で修理を行います。また、設置後のご要望、システム増設なども行えますのでお気軽にご相談下さい。補償期間終了後は有償修理となりますが、できるだけお客様の要望に添えるよう努力いたします。
近隣への配慮のためのサイネージ設置とコンテンツ
建設・工事現場でのサイネージ利用例として、近隣への配慮として騒音情報や粉塵の情報などを開示されるケースも増えてきています。
こちらは歩道沿いなどに設置し、近隣住民の方への情報開示を行います。工期の日程や騒音情報など、住民へ細かく情報提供をすることで理解を求めます。これからの建設・工事現場の在り方として全国的にこのようなケースが増えてきています。ただ、仮囲いに現在の騒音をデシベル単位で表示されることもありますが、一般市民から見たらわかりにくい場合もありますのでイラスト等を交え、もう少し視覚的に理解を求める工夫が求められています。そういった場合にもデジタルサイネージは欠かせません。
※上記は朝礼看板でも併用可能なコンテンツシステムご利用時
ゲンバルジャー
朝礼参加人数によって朝礼看板をLEDビジョンに
Buildeeなどで細かな図面などを共有する場合、液晶のデジタルサイネージのほうがキレイに映ります。しかし200名以上の大規模で朝礼を行われる場合、液晶ディスプレイから離れれば離れるほど見えなくなるものです。
建設現場で使用される屋外用液晶ディスプレイの輝度は1500~2500カンデラ程度の高輝度ですが、朝礼看板が南や東向きに設置されていれば、参加人数の規模、朝礼時の朝日によっては、液晶では輝度不足を感じられることもあると思います。
そこで将来的に朝礼参加人数が300名を超えるような現場の場合、輝度が5000カンデラと、液晶ディスプレイの二倍程度のLEDビジョンの使用をおすすめしています。
LEDビジョンとは
LEDビジョンとは街中では広告などで使用されている大型のディスプレイです。
LED球の間の距離(ピクセルピッチ)で精細さが変わりますので視認性にも影響します。建設現場では小さな図面を共有することもあり、最低でもP4(ピクセルピッチ4mm)の使用をおすすめしております。その場合、視認距離はLEDビジョンから4メートルとなりますが、2.5メートル程度の距離でも問題はないと考えます。
LEDビジョン
iPad接続時に発生する左右のブランク部分(黒い帯)を回避することに成功しました。例えば、横2560×縦1920mmのLEDビジョンサイズであれば、4:3の比率となりiPadの比率と同じになります。よって巨大なiPadとしてご好評いただいております。朝礼時には4:3のiPadとのAirplay(ミラーリング)を全画面で行い、通常時は16:9のコンテンツを全画面表示することを、ボタン一つで切り替え可能にしました。
大型建設・工事現場へのデジタルサイネージ設置事例4選
ここからは実際にヤマトサイネージが建設現場・工事現場に、デジタルサイネージを設置させていただいた事例をご紹介します。
事例1:建設現場の情報共有用LEDビジョン
愛知県にある大型の建設現場に全天候対応の大型LEDビジョンを設置した事例です。この事例では、ピクセルピッチは4mmで、全体サイズがW2880×H1920mmの大型LEDビジョンを2台設置しました。
このような大規模な工事現場の場合は作業員が多いため、大型LEDビジョンを2台設置して、より広範囲からの視認性を高める施策が取られています。
建設現場の情報共有用LEDビジョン
事例2:建設現場の朝礼看板用LED
大阪市内の大型建設現場に約130インチのLEDビジョンを設置した事例です。
朝礼看板に埋め込む形で設置しましたが、工事期間中に朝礼スペースが変更になる可能性を考慮して、簡単に移設できるように48.6mmの単管にフックで取り付けています。
建設現場の朝礼看板用LED
事例3:建設現場の屋外用大型モニター
三重県の工事現場に55インチの液晶モニター4台を連結したマルチディスプレイを設置した事例です。
液晶モニターはLEDビジョンと比べて、近距離からの視認性が高く、モニターを比較的近くからみる想定の工事現場におすすめです。
建設現場の屋外用大型モニター
事例4:建設現場の仮囲い用サイネージ
大阪府吹田市の大規模建設現場の仮囲いに55インチの液晶モニターを設置した事例です。
建設現場は近隣住民とのコミュニケーションが大切です。液晶モニターを通じて、工事のスケジュールや注意点を発信することで、トラブルや事故を未然に防ぐ効果が期待できます。
建設現場の仮囲い用サイネージ
最後に
弊社ヤマトサイネージでは、これまでの経験・ノウハウを元に(当初は失敗もありましたが、それを糧にして成長いたしました!)、建設・工事現場へのデジタルサイネージ導入について実績を重ねて参りました。もちろん日本全国どこでも対応しておりますので、見積もりの際にはお声がけいただけますと幸いです。
今後ともヤマトサイネージをどうぞよろしくお願いいたします。
建設現場のサイネージ活用提案
※写真協力:清水建設様・大林組様・レンタルのニッケン様
↓建設現場専用のLEDビジョン、デジタルサイネージはモニたろう。
くわしくはこちらから御覧ください。
建設現場で使われるデジタルサイネージを提供しています。