大画面モニター連結

モニターを連結して大画面を作る方法とは?代表的な大画面構築法2選

画面を連結してひとつの大画面を作るという概念

ショールームのマルチディスプレイ※モニターを連結した大画面「液晶マルチモニター」

液晶ディスプレイには、画面を組み合わせて1つの大画面にする方法があります。これをマルチディスプレイと呼びます。マルチディスプレイといえば、パソコン画面をイメージされる方も多いと思います。しかし、デジタルサイネージにおいても多用される手法なのです。

大画面のデジタルサイネージは、広告映像やニュースを繁華街や商業施設で流しているイメージが強いかもしれません。ただここ数年においては、会議室や学校施設などへの導入も加速的に進んでいます。プロジェクターの代わりに導入し、会議や授業を行うのです。

このように複数の画面を組み合わせて大画面を作る液晶マルチディスプレイのデジタルサイネージは、様々な用途に対応するため広告関係だけではなく数々の分野で注目を集める存在になっています。

大画面を構築する場合はこの液晶マルチモニターに加え、LEDビジョンと言う考え方もあります。

LEDビジョンのメリット

今回はこの2種類の連結して作る大型モニターの特徴やおすすめの設置場所について考察していきます。

プロジェクターと液晶マルチディスプレイの違い

プロジェクターと液晶マルチディスプレイ

上の写真ですが、左側がプロジェクター、右側が液晶ディスプレイを4台組み合わせたマルチディスプレイです。プロジェクターだと自然光や照明の影響を強く受けてしまい、全体的にぼんやりとメリハリのない画面になってしまいます。

逆に液晶マルチディスプレイの方は鮮明に見えるというメリットがあります。しかし画面を組み合わせて連結させるため、画面内にベゼルラインができてしまうことが若干の懸念ではあります、

商業利用(広告等)の場合は、目立つ(見えやすい)画面であることが大前提のため、プロジェクターを使用することはほぼありません。日中の自然光や施設の照明の影響を受けるからです。そのため仮にプロジェクターを使用するとしても、夜間や薄暗いスペースでの設置に限られます。

オフィスや会議室ではプロジェクターが多用されています。しかし液晶マルチディスプレイの登場により、その見えやすさや利便性から注目度が高くなっています。

大型液晶マルチモニターの特徴

大画面構築法

大型液晶マルチモニターの特徴はテレビと同じ「液晶」を使ったモニターを使用するので、キレイな映像を映し出せることが特徴です。しかしその反面、ベゼルと呼ばれる枠のラインができてしまうというデメリットがあります大画面構築法

この線の存在を嫌う方も結構いらっしゃいます。

「ディスプレイについてベゼルが気になる点で、LEDビジョンの方が有力かなと考えております。」

これは、とあるお客様が商業施設に置くための大型画面を検討される際に、実際に弊社がいただいた内容です。(※弊社はLEDも取り扱っていますので、両方のメリット・デメリットをお伝えしたところこのようなご回答をいただきました)

しかし個人的な意見を述べるとベゼルのラインができることについては、自宅に置くテレビとは違うので、商業施設でその画面を見るお客さんがそこまでベゼルラインを気にするか?というとあまり関係ないような気もします。

マルチディスプレイのレイアウト

マルチディスプレイの特徴は、好みの連結ができるという点です。16:9の画面比率を維持する場合や縦長・横長に連結する方法など、レイアウトの一例を挙げてみます。

テレビと同じ画面比率を維持するレイアウト

デジタルサイネージに使用するマルチディスプレイは、縦横を同じ列にして画面比率16:9を維持する方法がベーシックです。

大画面を作る方法とは?

例えば写真のように縦が3列なら、横も3列に合わせてやります。そうすることで一般的なディスプレイ(テレビやパソコンモニター)と同じ比率になります。テレビ用CMなどの既存コンテンツがそのまま流用できます。そのため、映像コンテンツを再編集する手間が省ける点がメリットです。

■参考動画:広島市地下街の55インチ9台連結液晶マルチディスプレイサイネージ

横長・縦長に連結する方法

縦や横に長細く連結する方法もあります。コンビニやファーストフード店のカウンターには、下の写真のような画面レイアウトが多用されています。時には1つの横長映像がドガーンと映り、かと思えばそれぞれの画面に違うコンテンツが流れたりします。

大画面を作る方法とは?

このような画面比率16:9を崩した連結方法は、既存の映像コンテンツの流用が困難になります。なので比率に合わせた映像制作が必要になります。自分でコンテンツ編集ができる場合は良いですが、流すコンテンツの変更頻度が高い場合はその都度映像編集が必要になります。

外部業者にコンテンツ制作を任されている場合は、その制作費用がかかります。運用コストが余計にかかってきますので、事前に理解しておきましょう。

参考動画:オフィスのエントランスに設置した横長液晶マルチディスプレイサイネージ

縦置き横連結・横置き縦連結

状況によってはこのような特殊な連結をすることもあります。ただし、あまり使いやすい画面レイアウトではありません。

大画面を作る方法とは?

通常、横長の場合は画面を横にして連結していきますが、写真は画面を縦にして横に連結しています。画面の向きと連結方向を逆にした連結スタイルです。

参考動画:葬祭ホールのエントランス用液晶マルチディスプレイディスプレイサイネージ

その他特殊な連結方法

デザイン性を重視する場合は以下のようなレイアウトも可能です。

大画面を作る方法とは?

この場合はかなりコンテンツ制作も難しくなります。一般の広告媒体としては向いておらず、アート関係や施設の雰囲気作りとして利用するほうが適しています。

大型液晶マルチモニターの連結方法

液晶マルチモニターの連結方法は専用のブラケットを用意して、壁面に打ち付けることから始めます。

大画面構築法

そこにモニターを設置して連結していきます。

大画面構築法

組み合わせた画面にどうやって映像を流すのか?

次に組み合わせた画面にどうやって映像を流すのか、システム的なお話をします。液晶マルチディスプレイは複数のディスプレイを連結したもので、それをひとつの画面として使用する場合と、分割映像を流すパターンでシステム構築が異なります。

①1つの映像を連結画面で大きく表示するのみ

大画面を作る方法とは?

1コンテンツのみを表示する場合は、1つの映像入力があれば対応できます。ディスプレイ本体にデイジーチェーン機能があれば、中継機は必要ありません。デイジーチェーン機能を持たないディスプレイでは、ディスプレイの台数に応じた出力のある映像分配器(HDMI分配器など)を使用します。例えば4つの画面を連結する場合は1入力4出力、9つの画面なら9出力を持つ映像分配器が必要です。

②映像を分割配信するのみ

大画面を作る方法とは?

写真のように大画面内に複数の映像を映したい場合には、基本的にマトリクススイッチャーやマルチビューワーという中継機を用います。マトリクススイッチャーとは、自分の好きな画面レイアウトで複数デバイスの画面を作ることができます。対してマルチビューワーは予め画面レイアウトが登録されているもので、その中から好きなレイアウトを選ぶものです。

画面レイアウトを固定してしまう場合は、中継機を接続せずにデバイスをそれぞれの画面に直結する方法もあります。ただし画面レイアウト変更が生じた際には、配線をやり直す必要があります。

③大画面映像を流したり、分割したりミックスしたい

大画面を作る方法とは?

マルチディスプレイの真髄ともいえるのがこの方法です。時には1つの大きな映像を、ある時には分割映像を…と切り替えすることです。この方法にも②と同じ、マトリクススイッチャーやマルチビューワーを使用します。画面の切り替えは、中継機の設定を変更することで簡単に行なえます。

大型液晶マルチモニターの設置に適した場所

弊社の案件ではありませんが、屋外に液晶マルチモニターを設置している場所があります。

屋外用大型ディスプレイ

皆さんこの画面を見て、何が映っているか分かるでしょうか?まず、防水やいたずら防止のために画面を覆っている強化ガラス。これにいろんなものが反射してしまい、映像を見る妨げになっているのがわかります。

更には画面の明るさが弱いため、太陽光に画面の光が負けてしまって薄暗く感じるというダブルパンチで、かなり見えづらい印象です。このようなことから弊社では屋外に液晶マルチモニターを設置することは全くおすすめしていません。

屋内設置であれば基本的に防護ガラスも必要ないわけですし、直射日光を浴びるわけでのないので視認性が確保しやすいという結論になります。

大画面構築法

 

LEDモニターの特徴

屋外用LEDビジョンを屋内に設置
※画面内に線はできない、がしかし…

LEDモニターの場合は液晶モニターのようにベゼルが存在しません。なので大画面を作っても見た目的な違和感は感じません。また一般的に液晶よりも強い光を出せるため日中の屋外でも見えやすいという特徴を持っています。

ただLEDモニターは液晶のような鮮明な映像を表現することができません。解像度が粗いということです。

大画面構築法

なので近距離で見る場合には映像の粗さを感じてしまい、適していません。

LEDモニターの連結方法

LEDモニターも液晶マルチモニターと同じように、専用のブラケットやキャビネットを使用してまずはベースをこしらえます。

大画面構築法

このベースにLEDのモジュールと呼ばれるものを1枚ずつ並べて連結します。大画面構築法

大画面構築法

LEDモニターの設置に適した場所

映像が粗く表現されてしまうため、近い距離で見ることの多い屋内設置には基本的に向いていませんが、ベゼルラインがどうしても許せない場合や、至近距離から見られることのないような場所では、屋内でも設置に適した環境はあります。

LEDは液晶と違い、反射しにくいという特徴も持っています。強い光と反射が置きないということから屋外設置がポピュラーです。

大画面構築法

屋内大型モニターは液晶マルチディスプレイ、屋外大型モニターはLEDを推奨

様々な希望や条件により一概に決めつけれるわけではありませんが、我々大型モニターを扱うプロとしては基本は屋内は液晶マルチモニター、屋外はLEDモニターをおすすめしています。以上、ご参考いただきまして適切な大型モニターを選んでください。

設置事例: マルチディスプレイ

液晶マルチディスプレイの設置事例と参考価格

それでは弊社が担当した液晶マルチディスプレイの設置事例の一部をご紹介します。機材の合計価格も記載していますので、どうぞご参考ください。

長崎県・島原温泉ホテル南風楼様/55インチ16面液晶マルチディスプレイ

ホテルのマルチディスプレイ

ホテルの式場に導入いただきました。以前は照明を落としてプロジェクター画面を投影していましたが、液晶マルチディスプレイにすることで部屋の雰囲気を保ったまま、大きな画面で影像が流せるようになりました。

結婚式ではエピソードムービーを、会議ではパソコン画面を共有するなど利用者から好評を得ています。機材価格の合計は約600万円(2023年時点)です。設置工事費や諸経費は別になります。

事例の詳細:ホテルの式場にマルチディスプレイを設置

兵庫県・龍野北高等学校様/55インチ9面液晶マルチディスプレイ

龍野マルチ

学校の講堂に設置した液晶マルチディスプレイです。全体の画面サイズは165インチになります。入学式や卒業式などのイベントや授業でも活躍しています。壁面への設置が困難だったため、アンカー固定式のスタンドを使用して床面に固定しています。

マルチビューワーという映像中継機を接続し、複数のデバイス画面を同時に表示することもできます。機材の合計価格は約350万円(2023年時点)です。工事費や諸経費は別となります。

事例の詳細:講堂にマルチディスプレイを設置

愛知県・ドラゴンズベース様/55インチ4面液晶マルチディスプレイ

ドラゴンズベースのマルチディスプレイ

商業施設内に特設されたブースで、アイキャッチや情報提供のために設置した液晶マルチディスプレイです。中日ドラゴンズの試合経過やチケット情報を表示しています。大きな画面で通行人の目を惹くので、その効果を実感していただいています。

機材の合計価格は約180万円(2023年時点)になります。4面の液晶マルチディスプレイはコスト的なハードルも下がり、最も導入事例の多いスタンダードなパターンです。

事例の詳細:ショピングモールの液晶マルチディスプレイ

まとめ

今回は複数の液晶ディスプレイを連結して大画面を作る方法をご紹介いたしました。連結方法は様々であること、どのような映像配信スタイルを取るかで使用する中継機が変わってくることがわかりました。

複雑な構成かと思いがちなマルチディスプレイですが、使ってみると案外簡単なのです。導入に対して不安なことが多いかもしれませんが、不明な点はいつでもお気軽にお問い合わせください。




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