そもそもデジタルサイネージって何?テレビとの違いは?
デジタルサイネージという言葉を初めて目にする方の多くは、「一体テレビと何が違うの?」という疑問があると思います。「デジタルサイネージは縦横どちらでも設置できる」とか「長時間の使用にも耐える」など、物理的違いを述べているサイトは多数あります。なので今回は概念的な部分にもフォーカスしていきたいと思います。
デジタルサイネージとは?
「サイネージ(signage)」とは標識という意味の英単語です。主に看板などを表すことが多いです。それに「デジタル(digital)」を付け加えて「デジタルサイネージ(digital signage)」となるのです。日本語で表現するとしたらモニターを使用した電子看板、電子掲示板というところでしょうか。そう考えると少しは理解が深まると思います。
テレビとは?
説明するまでもないですがご家庭にあるテレビそのものです。テレビとはテレビ番組を受信して放送を視聴できるものを指します。一般的には家電量販店などで購入できる「テレビモニター」がポピュラーですが、テレビチューナーさえあればPCモニターやプロジェクターでもテレビが楽しめます。つまりテレビとはハードウェアも、その放送も含めた総称の意味合いが強いですね。
TVモニターとデジタルサイネージの違い
デジタルサイネージとテレビの概念は前述のように、モニターを使用して「何を映すか?」ということが違うわけです。ということは、テレビを単なるモニターとして使うことでデジタルサイネージになるわけです。逆にデジタルサイネージ用のモニターも、チューナーを取り付ければテレビになるということです。
よって、我々がよくいただく質問「テレビとデジタルサイネージの違い」とは、「そのモニターでテレビを視聴できるかできないか」ということであって、実は機械の性能がどうのこうのではなくとても単純なことなのです。デジタルサイネージのHDMI入力にTVチューナーを接続すればテレビの放映は可能です。
どちらも使用するのは単なるモニターであり、目的の違いでそれがテレビなのかデジタルサイネージになるのか決まるわけです。そしてデジタルサイネージは主に広告放映の目的として利用されていますが、単なるモニターなので、電子掲示板として利用したり、タッチパネルで双方向通信を行ったり、と様々な目的で利用されています。
またデジタルサイネージは設置場所によって最適化されたハードウェアを準備しています。
屋外には防水防塵機能を備えたもの、屋内でも大画面用に準備されたマルチディスプレイ等、設置場所・目的に応じて機能、形、性能のふさわしいハードウェアが存在します。
テレビ用モニターをデジタルサイネージとして利用できるの?よくある質問3選
「テレビをデジタルサイネージにできるのか?」という疑問を持ち、このページを訪れた方も少なくないと思います。結果から述べると、条件付きで利用可能となります。
※テレビモニターをデジタルサイネージにしている例
テレビモニターの本来の目的は、室内でテレビ放送や録画映像、DVD視聴やゲームを楽しむことです。要するに「見たい映像を長時間凝視すること」を想定されたものです。なので画面の明るさは適度に抑えられています。PCモニターにも同じことが言えます。
質問1:テレビ用モニターを屋外に設置して雨に濡れても大丈夫?
当然、雨に濡れてはいけません。晴天なら外でも使えるのでは?と思われるかもしれませんが、昼間は日光の明るさが強いためモニターの明るさが自然光に負けてしまいます。例えばスマホの画面を外で見た時に、暗くて見えにくいと感じたことがあると思います。好天時は外で使うことはできますが、日中は画面が暗く感じてあまり役をしないということを覚えておきましょう。使うとしたら夜間限定でしょうか。
質問2:テレビ用モニターを縦型デジタルサイネージとして設置しても良い?
他のサイトでは「テレビ(モニター)は縦型デジタルサイネージとしては設置できない」と記述しているものがありますが、正しくは「テレビは縦で設置することを想定していない」と言うほうが正しいです。テレビモニターを縦向きに設置して縦型デジタルサイネージとして使用しているものを知っていますが、数年経過してもトラブルは起こっていません。個人的にはテレビモニターを縦で使用することにリスクは殆どないと考えます。
質問3:テレビ用モニターを長時間使い続けても問題ない?
「長時間の使用にも耐える」ということですが、テレビをつけっぱなしにして一晩明かしても何も問題ないですよね?なのでそのような記述も確かに当てはまる部分は多少あるのでしょうが、ほとんど気にしないで良いレベルだと考えています。
よって答えとすると、デジタルサイネージを実現したい場合はテレビモニターを使用できるということになります。ただし記載した注意点を理解した上でという条件が付きます。逆にデジタルサイネージモニターをテレビとして利用することもできますが、一般の店舗や施設ではほとんど利用価値がありません。
以下、テレビモニターをデジタルサイネージとして利用する場合のポイントです。
✅基本的には屋内・室内の設置をおすすめ
✅好天での屋外使用は可能だが、日中は画面が暗くて見えづらい
結果、室内のデジタルサイネージで使用するモニターは、わざわざデジタルサイネージ専用と謳われているものを高い値段で買う必要はないのでは?と思ったりもするわけです。
デジタルサイネージモニターを使用する意味
※外向け用に明るさを強くした専用モニター
デジタルサイネージは「この映像を見てほしい」という発信者側の意図が発端となるケースが多いです。広告映像はその際たる例です。なので、行き交う人の興味をいかに引きつけるかということがポイントになります。
そのためにはまず画面を明るくして目立ちやすくする、という工夫がされています。皆さんも駅や商業施設に置いてあるデジタルサイネージをご覧になったことがあると思います。でもそれって歩きながら一瞬目をやったとか、エレベーター待ちでしょうがなしに見ていた感じではないですか?つまりデジタルサイネージはわざわざ立ち止まって見ることがないんですよね。なので目立つよう(目を向けてもらえるよう)に明るさでアピールをするわけです。
デジタルサイネージは沢山の人に見てもらうために、人の集まる場所に設置するケースがほとんどです。その場合に心配なのがセキュリティや破損トラブルです。テレビモニターは液晶画面がむき出しですが、沢山の人目に触れるデジタルサイネージモニター(業務用ディスプレイ)は、画面破損を防ぐために強化ガラスを使用しているものがあります。また、ボディもスチール材を用いて衝撃に耐えやすい構造をしているものもあります。
なのでデジタルサイネージモニターを使用する意味はそれなりにあると言えます。ただ、ここまでの説明は屋内に設置する場合のことで、外に設置したいケースは、おそらくデジタルサイネージモニターを使用するしか方法がありません。
屋外は雨ざらしで直射日光の影響を受けてしまいます。そのため防水・防塵に対する対策が必要となり、画面もかなり明るくしてやらないといけません。画面を明るくすると言ってもテレビの明るさ調整というレベルではなく、もともとのポテンシャルをアップさせないといけません。画面の明るさは輝度と言いますが、明るさの数値を表す単位を「カンデラ」と呼びます。数字が大きいほど明るいという意味になります。
下の写真は某家電メーカーから屋内用デジタルサイネージ専用モニターとして販売されているもの(左)と、屋外用に開発されたデジタルサイネージ専用モニター(右)です。
この様に屋外で使用するモニターは明るさがないとほとんど目に止まらない、ということが理解できると思います。以下がデジタルサイネージモニターを利用するメリットになります。
✅画面を明るくして目立ちやすくしている
✅衝撃に強い構造で破損トラブルを回避しやすい構造になっている
✅外で使用するものは直射日光下でも見えやすい明るさ、雨や粉塵への対策もできている
まとめ
デジタルサイネージとテレビの違いについての答えは「どっちも単なる映像を映すモニター」に過ぎないわけですが「使い方によってテレビかデジタルサイネージなのか分かれるだけ」と考えてください。特に屋内へのデジタルサイネージ設置を検討の場合、テレビモニターを代用しても全く問題はありません。逆に外に設置する場合は、必ず使用環境に応じた機能を持つ専用のデジタルサイネージモニターを用いてください。
さて、テレビとデジタルサイネージの違いが知りたかった人とはここでお別れです。お付き合いくださってありがとうございました。お時間のある方は以下お付き合いください。
テレビにもなる!?屋内で最もインパクトのあるデジタルサイネージとは?
デジタルサイネージで重要なことは「見てもらうためのインパクト」と申してきましたが、実は明るさ以外にもインパクトをもたらす要素があります。それは画面の大きさです。
小さいよりも大きいほうがアピールできるのは当然のことですが、巨大なモニターを作りたい場合は一体どのようにすればよいのでしょうか?屋外と屋内の視点から見てみたいと思います。
屋外の巨大画面はLEDビジョンがおすすめ
※強力な光で外でも存在感を発揮するLEDビジョン
外に巨大なモニターを設置したい場合は迷わずLEDビジョンです。希望のサイズにどこまでも大きくできること、強力な輝度で昼間でもインパクトある映像を放映することができるためです。建物の壁面や屋上に設置するパターンが多く、スタジアムの大型ビジョンなどもLEDでできています。
ただ、テレビ番組に関しては色々なしがらみがあるため、基本的にテレビ番組を流すことはNGです。テレビは個人で楽しむものということを忘れないでおきましょう。
屋内は大型液晶マルチモニター
中に巨大画面を構築したいケースは液晶マルチモニターです。これは一般的なモニターと違い、連結させて大画面を作ることに特化したモニターを使用します。普通のモニターとの大きな違いはベゼルと呼ばれる画面を囲う「枠」の薄さです。テレビやPCのモニターの枠は通常1センチ以上の厚みがあります。ベゼルを太くすることで側面の衝撃から液晶を守っているわけです。
しかし連結して巨大画面を作る場合にはそのベゼルが仇となり、画面内に太いラインができてしまうのです。なので極限までベゼルを薄くした専用モニターを使用することでラインを目立ちにくくするわけです。
またこの巨大画面は広告用だけでなく、学校や一般企業でも導入が進んでいます。それは「電子看板」ではなく「明るくて動きのある掲示板」としての利用だったり
オフィスでの会議用、ランチタイムにはテレビを見ながら休憩したり
という目的での設置事例が増えてきています。
屋内の100インチ超巨大画面のことなら
長々とお付き合いくださいまして恐縮ですが、要するに何が言いたかったかと申しますと…巨大な画面の導入をご検討なら、ぜひ弊社も検討の一社に加えてくださいということ(笑)。今回のテレビとデジタルサイネージの違いのように、大型マルチモニターについておそらくどの会社よりもわかりやすくご説明します。