一家に一台、いや、複数台あるのが当たり前のテレビ。しかしコンプライアンスの問題でテレビ番組の内容はかなり規制がかかり、昔ほど魅力的なコンテンツがなくなっています。またメディアによる偏向報道がささやかれるなど、人々のテレビ離れが進んでいるということは皆さんも周知のとおりです。
このような現実から世間では「チューナーレステレビ」なるテレビ番組の見れないテレビが話題を呼び、売れ行きも好調とのこと。テレビ番組が見れないんだったら、そもそもチューナーレスだろうが「テレビ」ではないのではないか?とツッコミたくもなりますが。
ということで今回は、テレビ番組を見る目的以外に大画面モニターを置く理由を考えてみました。
テレビの意味
さて、話の前にテレビのことを誤解されている方が多いと思います。本当のテレビの意味をみなさん理解していらっしゃるでしょうか?テレビとはテレビ番組(地上波デジタル放送・BSデジタル放送・CSデジタル放送)を受信して番組を見る機械のことを指します。私達が生業としているデジタルサイネージモニターもよくテレビとお客様から呼ばれることがあります。
※テレビじゃなくて単なるモニターですよw
そう言われてイラッと来ることはさておき、形格好が似てるだけでテレビと表現するのは間違っています。あくまでテレビ番組が受信できるものがテレビ、できないものは単なるモニターなのです。
まずはこのことを理解しておきましょう。
多様化するメディア媒体・コンテンツ
テレビはほとんど見ないけどテレビモニターを置いている。そんなご家庭や企業は多いと思います。そもそも番組の選びしろが少なく、決められた時間割でしか視聴できないテレビ。それなら興味のあるものを好きなときに視聴できるYouTubeやNetflixに代表されるネット系コンテンツが急成長してきた理由もうなずけます。
またそのような番組視聴だけでなく、ゲームを楽しんだり会議で資料を映すこと、店舗では広告用のデジタルサイネージとして使用するケースもあります。
家庭でのテレビモニター使用法とは?
もちろん一般のテレビ番組を視聴する目的もありますが、世代間で大きなギャップがあります。年配のいわゆるテレビ世代と若年層ではテレビ視聴の率が全く違うという結果が出ています。※参考/総務省:テレビ視聴時間推移(2000年~2015年、平日1日あたり、全体・年代別)
若年層においてはテレビ番組はあまり魅力的ではなく、インターネットやゲームでテレビモニターを使用することが増えているようです。たしかにウチの娘もテレビ番組よりもネット系の配信映像をテレビモニターで見ることが多いです。スマホやタブレットよりも大きな画面で見たい、という理由です。
なのでテレビ番組を全く見ないというユーザーがテレビモニターを置く理由は、単なるモニターとしてしか利用していないのです。
企業や店舗では?
一般的な企業や店舗にもテレビモニターを置いているところがほとんどです。しかしこの場合はテレビ番組の視聴というよりも、会議やデジタルサイネージとしてのビジネスにかかわる使い方をする場合が多いです。このような背景には、ユーザーがデジタルサイネージ用の業務用モニターが割高と感じていること、または業務用モニターの存在を知らないことのどちらかが考えられます。
※広告用のデジタルサイネージだが、使っているのはテレビモニター
いずれにしろ企業で使用するモニターはテレビ番組を視聴することがなく、ほとんどの場合がテレビモニターを単なるモニターとして代用しているだけなのです。
それでもテレビモニターを選ぶ理由があるとしたら?
このように一般的にテレビと呼ばれているテレビモニターですが、本来の使用目的(テレビ番組視聴)とは違う用途で使われることが多くその存在意義が薄れてきています。どちらかというとテレビ機能はおまけという感覚です。
家庭がテレビモニターを選択する理由
このような時代の中、テレビメーカーも黙ってはいません。既述のチューナーレステレビやネットに接続できる通信機能を持ったテレビモニターなど、多様化するユーザーの要望に沿った製品が開発されています。またテレビモニターは多数のメーカーがしのぎを削っています。また家電量販店もネット販売に負けじと価格競争が激しいため、知名度の低い単なるモニターや業務用モニターは割高になるという背景があります。そのため一般家庭ではテレビ番組を見ることがなくても、価格面からテレビモニターを選択するケースが多いのです。
要するに価格が安いから、テレビを見なくてもテレビモニターを選ぶわけです。
企業や店舗がテレビモニターを選択する理由
一般企業の場合も価格面の差でテレビモニターを選ぶことももちろんあるでしょう。しかしながら業務やビジネスで使用するモニターは、使用目的により適切なものを選ぶ必要があります。もちろん目的によってはテレビモニターで十分代用できる場合もあります。
ただ多くの場合が個人宅に置くものではないので、真剣に考えず適当にテレビモニターを選んでいるだけという事実があります。
主な使用目的に合わせた大型モニターを選ぼう
筆者の感覚ですが家庭用のモニターは、概ねテレビモニターを利用して全く構わないという気がします。問題はビジネスで使用する際です。単なるテレビモニターでは大きさに限度もありますし、明るさや防水性能なども加味しないと、利用意図に沿わないものを無理やり設置して、意味の薄れるものになる可能性を秘めているからです。
※例えば会議室には巨大なモニターが欲しいよね?
大型モニターは家庭用はテレビ、業務用は場合により業務用モニター。安直にテレビ購入と決めつける前に、深呼吸して一度考えてみるのも良いかもしれません。